慶應義塾大学三田哲学会叢書 ars incognita
裁判員の判断の心理
心理学実験から迫る
著:伊東 裕司
内容紹介
人の感情はどのように人を裁くのか?
心理学の実証データから、揺れ動く裁判員の心理を探る。
裁判員裁判が始まっておよそ一〇年。
法律家でない一般人が人間を裁くことの難しさに対して、
様々な議論や研究が行われてきた。
本書では実験心理学の実証データを用い、
感情が判断に及ぼす影響を分析。
裁判員裁判の問題点と改善の糸口を探る。
慶應義塾大学三田哲学会叢書
三田哲学会は創立100年を機に、専門的な研究成果を「生きられる知」として伝え、 公共の中に行き渡らせる媒体として本叢書の発刊を企図した。
シリーズ名は、ars incognita アルス インコグニタ。
ラテン語で「未知の技法」を意味する。
単なる知識の獲得ではなく、新たな「生きる技法としての知」を作り出すという精神を表現している。
目次
はじめに
第一章 裁判員裁判における心理的問題
1 裁判員制度の概要
2 裁判員制度のQ&A――心理学の視点から
3 陪審制との比較から見た裁判員制度の問題点
4 感情が裁判員の有罪無罪判断に及ぼす影響
5 事実認定判断と量刑判断――手続二分論をめぐる議論
6 二重過程理論
第二章 実験的研究1 被害者遺族の意見陳述の影響
1 方法
2 結果
3 考察
第三章 実験的研究2 説示の影響
1 方法
2 結果および考察
第四章 実験的研究3 感情の役割と感情制御
1 方法
2 結果
3 考察
終 章 総括とこれからの課題
あとがき
参考文献
ISBN:9784766426052
。出版社:慶應義塾大学出版会
。判型:新書
。ページ数:106ページ
。価格:700円(本体)
。発行年月日:2019年05月
。発売日:2019年05月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA。