地域研究叢書 37
小さな学校
カルティニによるオランダ語書簡集研究
著:富永 泰代
内容紹介
インドネシア女性解放運動の先駆者カルティニ(Kartini, 1879-1904)。女性教育に奔走した彼女を有名にした死後出版書簡集『闇から光へ』では西洋の光で未開から開眼する姿が描かれた。しかしそれは都合のよい虚像ではないか? 除外された書簡から、教育と工芸芸術の振興で西洋からの自立を目指す姿を描き、解放された個人を求めたその声に耳を傾ける。
目次
凡 例
序章 Door Duisternis tot Licht とBrieven
第1節 民族英雄像の何が無視されたのか
第2節 先行研究の整理
第3節 本書の構成
第1章 背 景—閉されたジャワ社会の下で
第1節 植民地国家オランダ領東インドNederlandsch Oost Indië の官僚制度と教育制度
第2節 19 世紀後半における交通・通信の発展と社会変化
第2章 カルティニの生涯
第1節 ヨーロッパ人小学校で学ぶということ
第2節 閉 居
第3節 慣習と戦う
第3章 カルティニの読書
第1節 20世紀転換期におけるカルティニの読書環境
—オランダ語書籍の入手
第2節 オランダ人の手による東インドの作品
—オランダ植民地文学と学術論文
資料I Brieven[Kartini 1987: 62-75]より「1901年8月8-9 日付アベンダノン夫人宛書簡(創作物語付)」翻訳資料
資料II パネ抄訳版HABIS GELAP TERBITLAH TERANG より「1901年8月8-9日付アベンダノン夫人宛書簡」翻訳資料
資料III カルティニ関連年表
あとがき
引用文献目録
掲載写真 出典一覧
索 引
ISBN:9784814002290
。出版社:京都大学学術出版会
。判型:菊判
。ページ数:394ページ
。定価:4400円(本体)
。発行年月日:2019年05月
。発売日:2019年05月09日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB。