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英語教師は〈英語〉ができなくてもよい!

著:露木 康仁

紙版

内容紹介

「小学3年生からの英語必修化」「大学入試英語の改革」を柱とする文科省主導の英語教育大改革は、英語の“ユニクロ化”と断言してもいいでしょう。それは、観光立国・日本の国民すべてが道案内できたり、サービス業で不自由しない程度の英語を身につけましょうといったレベルのものです。それは、明治以来、連綿と続いてきた良き英語教育の伝統を破壊する愚策です。ところが残念なことに、公文式、ECCなどフランチャイズ式学習塾から大手の予備校に至るまで、文科省という“英語の大政翼賛会”に付和雷同しているのが日本の教育産業の実情です。本書は、英語塾主宰者にして、塾のブログで日々、日本の英語教育界の虚妄を撃ってやまない著者による痛烈なる逆説の書。教育を語れる新しい教育エッセイストの誕生です。

目次

英語教師は〈英語〉ができなくてもよい ──一・五流講師擁護論 ──
『英語教師は〈英語〉ができなくてもよい 』の真意 
英語教師のもつ食材と料理の腕前(力量) 
英語と自動車学校と動物園のライオン 
英語ができる生徒の生まれるルート 
学校ではそもそも、英語ができるようにはならない  
各方面からやり玉に挙げられる学校英語 
ノーベル賞受賞者と英語教育 
英語の使い手たち── 国谷・道傳・出水、伊藤・関・安河内 ── 
英語における絵画と音楽、そして恋愛と結婚 
しゃべれる英語教師になるルート 
学校英語・受験英語・予備校英語・実用英語の峻別 
非英語学科出身にこそ名英語教師あり  
英語教育と大乗仏教、そして鎌倉仏教 
英語教師の悪人正機説 
伊藤和夫と予備校英語 
伊藤和夫の功績と意義 
非僧非俗なる伊藤和夫の原風景 
名経営者から英語教育を通して伊藤和夫へ 
伊藤和夫の入試英語とはどうあるべきか論 
英語教師擁護論1 
英語教師擁護論2 

著者略歴

著:露木 康仁
慶應義塾大学文学部仏文科修士課程修了。
大学卒業後、某大手企業に就職するも、文学への研究熱が芽生え、大学
院に進学。大学院在学中に、研究者と教育者を天秤にかけて、後者への
情熱が湧き上がる。仏文学への未練を断ち切る。人生行路での紆余曲折
を経て、自分の原点である、「同じ轍を踏ませたくない」といった思い
から、横浜で英語科専門塾「英精塾」を立ち上げる。
自己の「受験の失敗学」に裏打ちされた大学受験塾“ 英精塾” を主宰す
るに至る。特に、日本語(母国語)を大切にする英語教育、リベラルアー
ツとしての日本史・世界史・古典なども教授している。今では、忘れさ
られた旧制高校の優れた面を取り入れた学問指導を理想として、生徒た
ちに接している。

ISBN:9784909299079
出版社:静人舎
判型:4-6
ページ数:252ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN