出版社を探す

文春新書 1210

江戸の不動産

著:安藤 優一郎

紙版

内容紹介

花のお江戸では不動産ビジネスが花ざかり。
武士も、町人も、農家も、こぞって土地取引に精をだしていた!

江戸時代は「鎖国」により内需中心の閉じられた社会であった。
しかし長きにわたり泰平の世を謳歌し、とりわけ将軍のお膝元、江戸は大いに繁栄する。
その好景気を下支えしたのは、活発な不動産取引だった。
封建社会というと土地も人間も固定されていたイメージが強い。
しかし実際は現代も顔負けのテクニックが駆使されて、活発に土地が取引されていたのだ。
江戸繁栄の秘密を、土地取引という新しい視点から読み解く。

【第一章 巨大都市・江戸の土地事情】
家康の江戸入りから、職人町の神田、商人町の日本橋誕生の経緯、そして町が大きく変わる契機となった明暦の大火と、その後の防災計画を紹介。

【第二章 武士の不動産商法】
大名や幕臣は等価交換というテクニックを駆使して、幕府から拝領した土地を活発に売買していた。また大名や旗本は郊外の農地もは買いあさり、微禄の武士は貸家経営で生計を立てていた。お武家さまのさまざまな不動産商法に迫る。

【第三章 町人・農民の不動産ビジネス】
関東などで財産を築いた豪商や豪農は、ビジネス拡大と多角化のため江戸へ進出していた。江戸の一等地は商売の拠点となるだけではなく、信用を得るためにも必須だった。一等地を買い集め、したたかな不動産ビジネスを展開する豪商・豪農たちの姿を描く。

【第四章 幕府の土地を私有地にする裏技】
幕府の御用を勤めていた中野の豪農は、四ツ谷にある幕府の土地に目をつけて、自分のものにしようと目論む。近隣対策や幕府への裏工作の実態に迫る。

【第五章 東京の誕生】
江戸の7割は武家が利用していたため、明治維新により広大な土地が没収され、軍用地や公共施設、学校などに転用された。いまの東京の骨格はこのとき出来上がった。土地という視点から見た「ご一新」とは。

ISBN:9784166612109
出版社:文藝春秋
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-C