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日経ビジネス人文庫 Gや-5-2

シャンパン大全

著:山本 博

紙版

内容紹介

幸せな時も、そうでない時も、シャンパンだけは裏切らない!

シャンパンとは、人生を輝かせ、世の中の憂いを払ってくれ、決して裏切られることのない友である――。
シャンパンと他のワインとの違い、主要な生産地、シャンパンが登場する映画や文学に始まって、
ローマ時代から辿るシャンパンのエピソード史、シャンパンメーカー・シャンパンハウス(全93軒)事典まで、
本書1冊あれば、シャンパンのすべてがわかります。

本書は河出書房新社から刊行された『シャンパンのすべて』(2006年刊、2012年に新装版刊)を改訂・改題、文庫化したものです。

〈出版社からのコメント〉

本書を読むと、シャンパンが飲みたくなる。「シャンパン愛」溢れる名著!

 この世のいやらしいこと、人々の見苦しいこと、我が家の狭いこと、
無茶苦茶な忙しさというような類いのものに悩まされ、
心身ともにヘトヘトになり、新米の大工が逆カンナをかけた板のように感情がささくれ立った時、
目の前にシャンパンが注がれたグラスを眺めてみるといい。
 落ち着きを取り戻した心でグラスを見れば、淡い黄金色に輝くワインの中に細かい泡が昇り続ける。
その活気がこちらの心に移る。はかない身分の泡でさえこれだけ元気がいいのに、
なぜ俺がくよくよ落ち込まなければならないのかという気になる。
 次に耳をグラスに近づけると、実に可愛らしいささやきが聞こえてくる。
鼻を出すと柔らかく甘美な芳香がしばし時を忘れさせる。
口に含めば泡が口の中でプチプチと弾けるように舌をくすぐる。
酸味と炭酸ガスが舌から口の奥にかけて刺激を与え、喉にさっと暖かみを残して消えていく。
 その爽やかさは言いようがない。頭の中の邪念がシャンパンのお祓いで清められていく。
普通のワインではこうはならない。〝世の中の憂いを払う玉箒〟という賞賛を捧げられるお酒があるとすれば、
それはまさしくシャンパンなのである。 (本書より)

目次

  はじめに

第1章 シャンパンは人生を輝かせる酒

1 シャンパンの魅力と健康効果
2 シャンパンが登場する映画・小説
3 ワインとしての特異性
なぜ泡立つのか/シャンパンはブレンドのワイン/呼称をめぐって
4 シャンパンの主要生産地
モンターニュ・ド・ランス/コート・デ・ブラン/ヴァレ・ド・ラ・マルヌ/オーブ地区その他 

第2章 シャンパンの挿話史

1 ローマ時代
太古/早くからワインの生産地だったシャンパーニュ
2 初期フランス王朝時代
フン族が襲ったシャンパーニュ地方/カロリング朝とシャルルマーニュ大帝/ノルマン人の侵攻とカペー朝
3 中世からルネッサンス
修道院とワイン/シャンパーニュの大市/百年戦争とジャンヌ・ダルク/フランスルネッサンスと当時のシャンパン/アンリ四世の好物はシャンパン
4 ドン・ペリニヨン―泡立つワインの成功
泡を壜に閉じ込めた大恩人/ロンドンでの流行/上流階級を魅了したシャンパン/フランス摂政時代のシャンパン/シャンパン・ビジネスの確立
5 一九世紀の黄金時代
シャンパンを欧州に広めたナポレオン軍/飲み手は貴族からブルジョアへ/シャンパン産業を変えた技術革新/新天地アメリカへの進出/フィロキセラと害虫駆除組合/嗜好は甘口から辛口へ
6  苦悩の時代―第一次世界大戦と戦間期
繁栄のかげり/シャンパーニュの暴動/CIVCの設立
7 第二次世界大戦と戦後の大衆化
シャンパンを救ったパットン将軍/シャンパンの大衆化

第3章 シャンパンメーカー・シャンパンハウス事典

アグラパール・エ・フィス アラン・ロベール アレクサンドル・ボネ
アルフレッド・グラティアン アンドレ・ボ・フォール アヤラ
バランクール バロン・ド・ロスチャイルド ボーモン・デ・クレイエール
ベセラ・ド・ペルフォン ビルカール・サルモン ボワゼル
ボランジェ ブリクー ブリュノ・パイヤール
キャティア カナール・デュシェーヌ シャノワーヌ・フレール
シャルボー シャルル・エイドシック クリストフ・ミニョン
コント・ド・ダンピエール ダヴィッド・レクラパール ド・カントナール
  ド・カステランヌ ドラモット ド・スーザ
ドウーツ ド・ヴノージュ ドラピエ
デュヴァル・ルロワ エドモン・バルノー エグリ・ウーリエ
エンクリ フルーリー フランソワーズ・ベデル
フランソワ・スゴンデ ガルデ(ジョルジュ) ガティノワ
G・H・マム ジェルマン ゴネ
ゴネ・メドヴィル ゴセ ゴセ・ブラバン
ギー・シャルルマーニュ ギー・ラルマンディエ エイドシック・モノポール
アンリ・グートルブ アンリー・ジロー アンリオ
ジャカール ジャック・セロス ジャクソン
  ジャン・ラルマン・エ・フィス ジャンメール ジェローム・プレヴォー
J・M・グルミエ ジョセフ・ペリエ ジュール・ラッサール
クリュッグ ラミアブル ランスロ・ロワイエ
  ランソン ラルマンディエ・ベルニエ ローノワ
ローラン・ペリエ ルクレール・ブリアン ルグラ
ルイ・ロデレール M・マイヤール マイィ
マリー・ノエル・レドリュ マリー・スチュアート マルキ・ド・サド
ミッシェル・ゴネ モエ・エ・シャンドン ニコラ・フィアット
ポール・バラ ペリエ・ジュエ フィリッポナ
パイパー・エイドシック ポール・ロジェ ポメリー
ルネ・ジョフロワ リュイナール サロン
セルジュ・マチュー スーティラン(AとP) テタンジェ
  タルラン ヴーヴ・A・ドゥヴォ ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン

著者略歴

著:山本 博
ワイン評論家・弁護士。日本のワインを愛する会会長。日本輸入ワイン協会会長。世界ソムリエコンクール日本代表審査委員。
弁護士。1931年横浜生まれ。早稲田大学大学院法律科修了。我が国のワイン評論の先駆け。早くからワインに関心を持ち、世界のワイン生産地を訪れ、その世界に魅了される。ワイン関連著作は40冊を超える。本業の弁護士の傍ら、ミステリー小説の翻訳家としても活躍。

ISBN:9784532198879
出版社:日本経済新聞出版社
判型:文庫
ページ数:352ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TDCT