SBビジュアル新書
大人のためのビジュアル古事記
エロティックで残酷な日本神話
著:大角 修
内容紹介
《日本》はここからはじまった――。
世界の創生から、神々の活躍、そして天皇家と大和朝廷のルーツを描く、ダイナミックな歴史書――古事記。難解な名前や複雑な系図から、ともすると敬遠される傾向にあるが、じっくり読み解くと、そこには驚くほど豊穣な世界が広がっている。激しい嫉妬、容赦のない惨殺、許されない恋、熾烈をきわめる復讐劇、そして、みずみずしくあけすけな性愛・・・・・。淫らで残酷な物語の向こうに隠されたメッセージとは何か? 「大人」になった今だからこそ楽しめる、奥の深い『古事記』ガイド。
目次
●はじめに
第1章 天地開闢の物語
●天地開闢とともに現れた造化三神、別天つ神、神代七代
●あなたの出っ張っているところを私の欠けているところに……
→国生み・神生みはイザナギとイザナミの「交わり」から始まった
●火の神カグツチのショッキングな誕生エピソード
→産道が焼けただれたイザナミ、すぐに子の首をハネたイザナギ
●黄泉の国で見るも無残な姿になったイザナミ
→死人も同然の姿を見て、かつての夫・イザナギは・・・
第2章 アマテラスとスサノオの物語
●葦原中国を追放されたスサノオとアマテラスの対決
→スサノオが馬の死体を投げつけたため、機織り小屋の女性の陰部に機織り道具が直撃
●天岩戸伝説の真実
→アマテラスを岩戸から出そうと半裸のまま踊ったアメノウズメ
●大蛇退治
→スサノオのヤマタノオロチ退治と草薙剣の出現
第3章 スサノオとオオクニヌシの物語
●オオクニヌシの試練
→義父スサノオから試練を与えられ、ヘビが這う室屋やムカデやハチのいる室屋で寝かされた
●オオクニヌシの物語
→女神と次々に関係を持ち、気づくと181人の子どもが!
第4章 天孫降臨の物語
●コノハノサクヤビメ、イハナガヒメとニニギの結婚
→ニニギが驚くほどブサイクな容姿に幻滅して拒絶
●コノハナサクヤビメの壮絶な出産
→自分の居る産屋に火をつけて無事に出産した
第5章 神武東征の物語
●イワレビコ(神武天皇)の誕生
●イワレビコの16年の東征
→熊の妖気で兵士が全員気絶。のちの武神、八幡大神の祖先神の剣で戦う。
→宴の最中に土蜘蛛たちを一斉に叩き殺す。
●皇后の驚愕の生い立ち
→神の1人が美しい娘に一目惚れ。彼女が大便をする溝に姿を矢に変えて隠れ、女陰を突き刺した。
その後、結婚して生まれた娘が神武天皇の皇后になった。
●争い始めた神武天皇の御子たち(綏靖天皇即位まで)
→ 崇神天皇は叛乱の兵士をことごとく斬り殺し、その死体を川に浮かべた。
→自分の兄に恋した后に暗殺されかかった垂仁天皇。后は逃げ、恋する兄と一緒に炎に包まれて死んだ。
第6章 ヤマトタケルと大和平定の物語
●オウス(ヤマトタケル)の熊襲征伐
→クマソ(兄)とタケル(弟)を剣で殺害。タケルは尻の穴に剣を差し込まれ、切り刻まれて絶命。
●ヤマトタケルの東征
●ヤマトタケルの白鳥伝説
●兄キナシノカルノミコと妹カルノオオイラツメの禁断の恋
→兄と妹の近親相姦
第7章 古事記に見る歴代天皇の知られざる顔
●后が嫉妬に狂った……仁徳天皇
→日本最大の古墳の被葬者、「国見の話」で知られる慈愛の聖帝は浮気っぽい性格。皇后は嫉妬に狂った。
●皇太子が禁断の兄妹関係……允恭天皇
→実の妹との恋に狂った允恭天皇の皇太子。恋のために皇太子を廃された。
●血塗られた雄略天皇
→先帝の安康天皇は暗殺され、皇子も次々に殺された。
●目を覆うような残虐性の検証……武烈天皇
妊婦の腹を割いて胎児を見たといった残虐な行為で知られる天皇。しかし、それは日本書紀の話。古事記ではまったく語られていないが・・・・
●古事記から日本書紀へ
→戦陣に立った「聖徳太子」の謎をとく