金子兜太戦後俳句日記 1(一九五七年~一九七六年)
著:金子 兜太
紙版
内容紹介
戦後俳句の超一級資料
俳壇の至宝ともいえる金子兜太は、1957年(昭和32年)1月1日から亡くなる前年の2017年(平成29年)7月3日まで、ほぼ毎日日記をつけていた。年齢でいえば37歳元日から97歳盛夏まで、61年7か月の長きにわたる。
98年の生涯を閉じて1年、ついにその日記が公開されることになった。俳句関連中心に全三巻。第一巻では、前衛俳句の旗手として台頭してきた金子兜太が、第一句集「少年」で現代俳句協会賞受賞後、「海程」の創刊に携わり、俳句造型論を展開、自身の創作方法を理論化した壮年期、37歳から56歳までの20年間が収録される。日本銀行行員としては、神戸支店、長崎支店、東京本店と定年まで勤め上げた時代である。
そこには、伝統にとらわれない新しい句作への志や苦悩、知的野性と繊細な感性が交差する瞬間が赤裸々に描かれている。代表句が浮かんだ背景や、ついに発表に至らなかった「トラック島日記(環礁戦記)」の構想にも言及されており、全巻解説を担当する長谷川櫂氏も「まぎれもなく戦後俳句の超一級の資料である」と太鼓判を押している。