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完全版 土地 08

著:朴景利
監:金 正出
訳:清水知佐子

紙版

内容紹介

宿敵の趙俊九を追い詰め 西姫は帰郷に向けて大きく踏み出す
波乱含みの旅たちで第二部が完結

<08巻あらすじ>
二人の息子の母親になった西姫は、穏やかさを得たようにも見えるが、内に秘める生来の激しさと誇り高さゆえに、吉祥との間の溝は埋まらない。
崔参判家奪還のため、趙俊九を丸裸にする策謀を西姫に託された孔老人は、この仕事にのめり込む。そこには九泉(環)も一枚かんでいた。
その九泉が龍井に現れ、西姫は母を奪った男の素性を知る。独立運動で重要な役割を担う九泉との再会は、吉祥にも大きな影響を与え、ある行動に導く。彼らの周辺には、密偵・金頭洙の怪しい影が見え隠れしていた。
一方、龍の息子・弘を育ててきた月仙は不治の病の床にあり、龍との長く切ない関係も終わりを告げようとしている。

目次

第二部 第四篇 龍井とソウル
 十六章 江原道の人参商
 十七章 恵観の見聞 
 十八章 英雄の息子 

第二部 第五篇 歳月を越えて
 一章 荒れ果てているということ 
 二章 思春期 
 三章 貧しい人たち
 四章 予感 
 五章 ハルビン行き 
 六章 最終報告 
 七章 きこり小屋 
 八章 愛 
 九章 餓鬼地獄 
 十章 訪ねてきた人 
 十一章 似た顔の記憶 
 十二章 追跡
 十三章 金頭洙
 十四章 老いた虎と若いオオカミ 
 十五章 矢のごとく 

訳注
第一部のあらすじ・主な登場人物 
訳者解説 

著者略歴

著:朴景利
1926年、慶尚南道統営市生まれ。
晋州高等女学校、ソウル家庭保育師範学校(世宗大学の前身)卒。
1955年に短編小説「計算」でデビュー、1957年に短編「不信時代」で 『現代文学』新人賞受賞。以後、次々と長編作品を発表し、各種文学賞を受 賞して実力派の作家としての地位を確かなものにすると同時に、韓国の女性作家の草分け的存在となった。
1969年から25年間にわたって書き継がれた大河小説『土地』は代表作であり、韓国現代文学における最も優れた作品の一つと評される。また「国民文学」として韓国で愛されてきたベストセラー小説でもある。
1994年に『土地』が完結した後も小説、詩、エッセイを書き続けた。晩年には環境問題に関心を深め、江原道原州の自宅菜園で有機栽培などしながら、意欲的に執筆を続けた。2008年没。享年81歳。
監:金 正出
1946年青森県生まれ。1970年北海道大学医学部卒業。
現在、美野里病院(茨城県小美玉市)院長。医療法人社団「正信会」理事長、社会福祉法人「青丘」理事長、青丘学院つくば中学校・高等学校理事長も務める。
訳書に『夢と挑戦』(彩流社)などがある。
訳:清水知佐子
和歌山生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)朝鮮語学科卒業。在学中に延世大学韓国語学堂に留学。
読売新聞大阪本社に勤務した後、ライターとして活動。
訳書に『原州通信』(イ・ギホ著)。共訳に『朝鮮の女性(1392-1945)─身体、言語、心性』、『銭の戦争』。

ISBN:9784904855485
出版社:クオン
判型:4-6
ページ数:464ページ
価格:2800円(本体)
発行年月日:2018年12月
発売日:2018年12月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB