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新訳ベケット戯曲全集 2 ハッピーデイズ

実験演劇集

著:サミュエル・ベケット
他訳:岡室 美奈子

紙版

内容紹介

空前絶後の美しすぎる「実験劇」

 『ゴドーを待ちながら』についでメジャーで、ベケットの戯曲で最も美しい作品のひとつであるとされる「ハッピーデイズ」が表題作! 誰も見たことも聴いたこともない世界の創造にかけては天才的なベケットによる、空前絶後の実験演劇17作品すべてを(超短篇もふくめ)一挙収録。
 女性が土のなかに埋まっていく劇(「ハッピーデイズ」)、誕生日にみずからの行動や思索をテープに吹き込むことを習慣としている男の劇(「クラップの最後の録音」)、壺から顔だけ出した男女三人が三角関係を語る劇(「プレイ」)、極小ドラマ(ドラマティキュル)と銘打たれた劇(「行ったり来たり」)、闇に浮かぶ「口」だけがトーキングマシンのように言葉をしゃべりつづける劇(「わたしじゃないし」)……。
 「ハッピーデイズ」「クラップの最後の録音」「だまって演じる1」「だまって演じる2」「プレイ」「行ったり来たり」「息」「わたしじゃないし」「あのとき」「あしおと」「演劇のためのスケッチ1」「演劇のためのスケッチ2」「ピース・オブ・モノローグ」「ロッカバイ」「オハイオ即興曲」「カタストロフィー」「なにをどこで」の収録順。巻末に各作品の解説付き。

著者略歴

著:サミュエル・ベケット
1906-1989年。アイルランド出身の劇作家・小説家。1927年、ダブリンのトリニティ・カレッジを首席で卒業。28年にパリ高等師範学校に英語講師として赴任し、ジェイムズ・ジョイスと知り合う。ダブリンやロンドンでの生活を経て、37年の終わりにパリに正式に移住し、マルセル・デュシャンと出会う。ナチス占領下には、英国特殊作戦執行部の一員としてレジスタンス運動に参加。『モロイ』『マロウンは死ぬ』『名づけえぬもの』の小説三部作を手がけるかたわら、52年には『ゴドーを待ちながら』を刊行(53年に初演)。ヌーヴォー・ロマンの先駆者、アンチ・テアトルの旗手として活躍し、69年にノーベル文学賞を受賞。ポストモダンな孤独とブラックユーモアを追究しつづけ、70年代にはポール・オースターとも交流。晩年まで、ミニマル・ミュージックさながらの書法で、ラジオ・テレビドラマなど数多く執筆。

ISBN:9784560093320
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:340ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2018年09月
発売日:2018年09月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DD