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SBビジュアル新書

学校では教えてくれない世界の政治

監:串田 誠一
編:コンデックス情報研究所

紙版

内容紹介

新聞やテレビなどで、世界の政治や選挙についての報道を目にすることは多いと思います。ただ、代表的な国の元首名くらいはわかっていても、その国の政治や選挙の制度などについて説明できる人は、そう多くはないでしょう。そして、国によっては非常にユニークで、面白い政治や選挙の話がたくさんある、という事実を知っている人も……。

たとえば中国の政治は、中国共産党による一党独裁体制が敷かれています。実は中国には、中国共産党以外にも政党が存在するのですが、それらの政党が政権を取ることは事実上ありません。なぜなら、中国人民共和国憲法の序章において、中国共産党以外の政党は「中国共産党に指導を仰ぐ」と明確に規定されているからです。

【世界の政治はこんなにユニーク】
・一党独裁が憲法で保障されている中国共産党
・国政選挙がない絶対君主国、サウジアラビア
・シンガポールが「明るい独裁国家」と呼ばれる所以
・すっきりわかるアメリカ大統領選挙の仕組み
・選挙の投票が義務化されているイタリア
・「資本主義には戻らない」と宣言するキューバ憲法
・女性議員の割合が世界一、ルワンダ共和国
・投票率200%を記録したパプアニューギニアの選挙 ほか

本書では、世界の動きを知るうえで重要といえる国や、日本と関わりが深い国を題材にしながら、政治に関する一般教養と知的雑学をまとめました。現在の政治制度が確立されるに至った歴史的な話も織り交ぜながら、政治に関する教養を楽しく深められるようにしています。

各国の政治について知識を深めるということは、その国の“素顔”を見えやすくするだけでなく、いまの世界情勢を理解するための助けにもなります。本書を読めば、新聞やテレビで報道されているニュースがより深く、より面白く読み取れるようになるでしょう。

目次

【序章】世界の主な政治制度
「大統領制」って、何だろう?/議会に認められた政府が国を運営、議院内閣制/「大統領」と「首相」は何が違うの?/「半大統領制」という政治体制もある/意外と多い「絶対君主制」の国/政治体制を知ることは、国家の理解につながる

【第1章】アジア
・中華人民共和国
すべての権限が議会(全国人民代表大会)に集中!?/議員は段階を踏んだ間接選挙で選ばれる/国の動きは、中国共産党が決める/中国共産党以外の政党 ほか

・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)
国務委員会が国の最高機関/議員選挙は徹底的に監視される!?/朝鮮労働党の一党独裁/チュチェ思想のもと3代世襲で独裁を継続 ほか

・インド
有権者数は8億人以上! 世界最大の総選挙!? /ボタン1つで投票できる機械式投票!/インドにおける主要政党は? ほか

・サウジアラビア王国
学費や医療費のみならず、住宅も無償支給!?/立法権・行政権ともに国王に集中/国民には全く選挙権がないのか? /諸外国から批判を受ける女性の人権問題 ほか

・シンガポール共和国
国会議員数は89人しかいない!? /「明るい独裁国家」といわれるゆえんは?/首相の年間給与は日本円で2億円以上/カリスマ性と独裁政治は表裏一体 ほか

・日本
あらためて日本の政治体制をおさらいしましょう!/国会議員の選挙を説明できますか? ほか


【第2章】ヨーロッパ
・フランス共和国
力関係は半々!? フランスの半大統領制/話題になりつつある「クオータ制」/投票が割れれば、何度でも選挙を行う/フランスにおける「共和制」の変遷 ほか

・バチカン市国
イタリアとの条約で認められた国/ローマ法王が絶対的な権力を持つ!/ローマ法王は秘密の選挙“コンクラーヴェ”で選ばれる ほか

・ロシア連邦
大統領に強力な権限があっても「半大統領制」/「資本主義」と「社会主義」それぞれの矛盾/連邦院と国家院の二院制を採用/そんなことが可能なの?…という不正報道も ほか

・グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
「連合王国」ができるまでの歴史/エリザベス2世の国王歴は世界一!/「庶民」が「貴族」よりも強い!? /イギリスにおける保守党と労働党の二大勢力 ほか

・イタリア共和国
首相が頻繁に変わるなど、日本との共通点も/投票は国民の義務!ただし罰則はない/二院制の在り方が議論され続けている/首相がコロコロと変わる理由は? ほか

【第3章】アメリカ
・アメリカ合衆国
アメリカ大統領は「6つの帽子」を使い分ける/二大政党を知らねば、アメリカの政治は語れない/知っておきたいアメリカ大統領選の仕組み/「二大政党」以外に、政党はないの? ほか

・キューバ共和国
「資本主義には戻らない」と宣言する憲法/投票所では、子どもたちがお手伝い!? /汚職などの不正を防ぐため、議員には報酬なし ほか

・ブラジル連邦共和国
国政選挙に16歳からも投票が可能!/ブラジルでも電子投票システムが活躍中!/政治への不信から独特な政党が乱立中/軍事政権から民主的な国へと変貌 ほか

・ジャマイカ
イギリスのエリザベス女王が国家元首/日本と似ている議院内閣制/二大政党が「交代」で政権を奪いあっている?/二大政党の創始者は、ともに独立の指導者 ほか

【第4章】アフリカ
・南アフリカ共和国
立法・行政・司法の権力を地理的にも3分割/人種差別が「法律」で認められていた過去/「アフリカ民族会議」の一党勝ちが続く/かなり具体的な南アフリカの平等権 ほか

・エジプト・アラブ共和国
「大統領」と「軍隊」が強い権力を持つ国/「暴動→新政権樹立」が繰り返される混迷/ついでに知っておきたい「ジャスミン革命」 ほか

・ケニア共和国
5年に一度の選挙イヤーは国をあげての大イベント!/大統領選挙のたびに暴動が起きる/アフリカ発の「大統領選無効」の判決が下る ほか

・ルワンダ共和国
強力な権限を持つ大統領制がベース/「力」による混乱の収束と国の発展/実は女性議員の割合が世界一! ほか

【第5章】オセアニア
・オーストラリア連邦
「オーストラリア国王」と「イギリス国王」は同一人物/世界初の「秘密投票」を行った過去/投票所付近は、いわゆる“お祭り”状態 ほか

・トンガ王国
世界でも珍しい「絶対・立憲君主制」国家!? /全26人のミニサイズの国会/君主制による体制が古くから確立 ほか

・ソロモン諸島
議員数は50人、一院制で議院内閣制を採用/軍隊がないため、暴動は近隣諸国の援助で鎮圧/国際選挙監視団の監視のもと行われる選挙 ほか

・パプアニューギニア独立国
2007年に初の女性議員が誕生/治安部隊とともに全国をまわる選挙/「無断でペタペタ」「投票率200%」…牧歌的な選挙活動!? ほか


【終章】歴史から見る政治の変遷

著者略歴

監:串田 誠一
東京都大田区出身。弁護士。元法政大学大学院教授。法政大学法学部法律学科卒。司法試験、公認会計士試験、大手ゼネコンでの宅建士試験の受験指導も長年担当。難しい法律の話をわかりやすく説明することに定評がある。編著:コンデックス情報研究所1990 年6 月設立。法律・福祉・技術・教育分野において、書籍の企画・執筆・編集、大学および通信教育機関との共同教材開発を行っている研究者・実務家・編集者のグループ。

ISBN:9784797394054
出版社:SBクリエイティブ
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2018年08月
発売日:2018年08月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH