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モンブラン

著:ファビオ・ヴィスコリオージ
訳:大林 薫

紙版

内容紹介

「ポケットに入れて、背中にかついで、心に思って、僕はモンブランを連れていく。」
「そうだ、両親にとって箱の中の黄ばんだ書類はどれも大切なものだった。落ち葉が激しく舞いあがり、木枯らしが吹きすさぶ。コンテナには不要品の数々が積まれていく。同じことが繰り返され、そうして時間は流れていく。
さようなら、きみたち。僕は箱に別れを告げた。」(本文より)

突然の大惨事から10年以上を経て、記憶と、記録と、創作をからませて綴った心の再生の物語。
装幀家・司修氏による表紙・カバー・帯デザイン。

※モンブラントンネル火災事故について
モンブラントンネル(Tunnel du Mont-Blanc)は、フランスのシャモニーとイタリアのクールマイユールを結ぶ全長11.8kmの自動車道トンネル。1999年3月24日午前11時頃、モンブラントンネル内を通過中の冷蔵貨物トレーラーが燃料漏れにより爆発、たちまちトンネル内に火災が拡大する。激しい煙と高温のため多くの被害者はトンネル内シェルターにたどり着けず、死者は39名に及んだ。
本書『モンブラン』の著者ファビオ・ヴィスコリオージの両親は、友人とともにこの火災事故に巻き込まれて亡くなった。

著者略歴

著:ファビオ・ヴィスコリオージ
1965年、フランス・リヨン市郊外ウランに生まれる。リヨン在住。小説家として本書を含む3作品を出版するほか、グラフィック・アーティスト、漫画家、ミュージシャンとしても活躍している。1990年代初めから現在まで漫画本、絵本をコンスタントに出版。リヨン現代美術館(2009年)、モントルイユ公立図書館(2016年)等各地で作品展を行っている。音楽活動では2002年と2007年に自身のソロアルバムをリリースしたほか、他ミュージシャンとのコラボレーションや映画音楽、朗読BGMなど幅広く手がけている。
訳:大林 薫
青山学院大学フランス文学科卒業。フランス語翻訳家。訳書にコリーヌ・ルパージュ著『原発大国の真実 福島、フランス、ヨーロッパ、ポスト原発社会に向けて』(長崎出版/2012年)、共訳書にアドニス著『暴力とイスラーム 政治・女性・詩人』(エディション・エフ/2017年)、モーリス・ルブラン著『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン 奇岩城』(角川つばさ文庫/2016年)などがある。

ISBN:9784990809171
出版社:エディション・エフ
判型:4-6
ページ数:242ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2018年07月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB