澁澤龍彥論コレクション 2
澁澤龍彥の時空/エロティシズムと旅
著:巖谷 國士
内容紹介
澁澤龍彥という稀有の著述家・人物の全貌を、巖谷國士という稀有の著述家・人物が、長年の交友と解読を通して、ここに蘇らせる。
『澁澤龍彦の時空』に、単行本未収録エッセー集「エロティシズムと旅」を増補!
◆本コレクション全5巻について
澁澤龍彥の年少の朋友として、その人物像と全作品に精通している稀代の碩学が、半世紀近くにわたって発表しつづけたエッセーとトークの一大集成、全5巻。澁澤龍彥の作品世界とその細部にとどまらず、通念とは異なる魅惑的な人物像とその生き方をふくめて、さまざまな知見や解釈が散りばめられており、どこからでも読める無尽蔵な情報の宝庫になっている。澁澤龍彥の愛読者・支持者・研究者ばかりでなく、広く文学・美術・思想・文化に関心をもつ人々、また全国の図書館に向けて、この稀有のコレクションを刊行する。
*Ⅰ~Ⅲ巻はエッセイ篇。これまでの巖谷氏の著作をまとめる。Ⅲ巻には澁澤夫人・龍子さんとの対談を掲載。
*Ⅳ、Ⅴ巻はトーク篇。澁澤氏にゆかりの深い人物たちとの対談。
目次
澁澤龍彥の時空
Ⅰ
家について
高輪に生まれる 川越の四年間 血洗島の大きな屋敷
滝野川の少年時代 鎌倉と「城」のはじまり 北鎌倉―最後の家
博物館について
澁澤龍彥の博物誌的生涯
個別展示室
石 貝 魚 虫 花 鳥 動物 怪物
天使 ウェヌス 自動人形 時計 玩物 鏡 タロッコ
紋章 庭園 終末図 地獄 宇宙
美術館について
澁澤龍彥空想美術館案内
三十人の画家―美術エッセーから
イタリア・ルネサンス 北方ルネサンスからマニエリスムまで
十七世紀 十八世紀 十九世紀 二十世紀
Ⅱ
空間と時間
「澁澤龍彥」が誕生するまで
シュルレアリスムとの出会い 卒業論文を読む
はじめての訳書 コクトー『大胯びらき』
トロツキーと澁澤龍彥 『わが生涯』の周辺
庭園について 『夢の宇宙誌』から『ヨーロッパの乳房』へ
エッセー集の変遷
『幻想の画廊から』 『黄金時代』 『胡桃の中の世界』
『記憶の遠近法』 『太陽王と月の王』 『マルジナリア』
アンソロジーとしての自我
『私のプリニウス』と「私」 コラージュの発見と展開
物語の方法―『ねむり姫』ほか アンソロジー的な自我
翻訳から創作へ 『フローラ逍遙』と最後の「航海」
Ⅲ
没後七年
澁澤龍彥の書斎
城について
四冊のノート 『滞欧日記』の発見
マッジョーレ湖
相撲
玉ねぎのなかの空虚 作品と生涯
『澁澤龍彥の時空』あとがき
エロティシズムと旅 増補エッセー集
エロティシズムをめぐって
「血と薔薇」の周辺
イタリアとの出会い
★
後記
初出一覧
著作索引