澁澤龍彥論コレクション 1
澁澤龍彥考/略伝と回想
著:巖谷 國士
内容紹介
澁澤龍彥という稀有の著述家・人物の全貌を、巖谷國士という稀有の著述家・人物が、長年の交友と解読を通して、ここに蘇らせる。
『澁澤龍彥考』に、単行本未収録エッセー集「略伝と回想」を増補!
◆本コレクション全5巻について
澁澤龍彥の年少の朋友として、その人物像と全作品に精通している稀代の碩学が、半世紀近くにわたって発表しつづけたエッセーとトークの一大集成、全5巻。澁澤龍彥の作品世界とその細部にとどまらず、通念とは異なる魅惑的な人物像とその生き方をふくめて、さまざまな知見や解釈が散りばめられており、どこからでも読める無尽蔵な情報の宝庫になっている。澁澤龍彥の愛読者・支持者・研究者ばかりでなく、広く文学・美術・思想・文化に関心をもつ人々、また全国の図書館に向けて、この稀有のコレクションを刊行する。
*Ⅰ~Ⅲ巻はエッセイ篇。これまでの巖谷氏の著作をまとめる。Ⅲ巻には澁澤夫人・龍子さんとの対談を掲載。
*Ⅳ、Ⅴ巻はトーク篇。澁澤氏にゆかりの深い人物たちとの対談。
目次
澁澤龍彥考
Ⅰ
澁澤さん―回想記
Ⅱ
「旅」のはじまり
『サド復活』のころ
ある「偏愛的作家」について
既知との遭遇―美術エッセー
ユートピアの変貌
Ⅲ
望遠鏡をもった作家―花田清輝と澁澤龍彥
『神聖受胎』再読
ノスタルジア―一九七〇年代
黄金時代 幻をつむぐもの 遠近法について
城と牢獄
晩年の小説をめぐって
『うつろ舟』 『高丘親王航海記』
「庭」から「旅」へ
Ⅳ
澁澤龍彥と「反時代」
澁澤龍彥とシュルレアリスム
★
『澁澤龍彥考』あとがき
略伝と回想 増補エッセー集
澁澤龍彥略伝―「幻想文学館」展のために
はじめに 黄金時代の記憶 サド裁判まで 新しい思想と芸術
血と薔薇のころ 旅・博物誌・回想 東西の作家たち 説話から小説へ
旅のおわり
折々のオマージュ
澁澤龍彥氏のいる文学史 「ねじ式」の思い出 中井英夫さんの「薔薇の会」
澁澤家の飾り棚 三冊の本―『フローラ逍遙』『玩物草紙』『胡桃の中の世界』
アンスリウム 「澁澤さん」
『裸婦の中の裸婦』について
★
後記
『澁澤龍彥コレクション』全五巻について
初出一覧
澁澤龍彥著作索引