読みなおす日本史
真田松代藩の財政改革
『日暮硯』と恩田杢
著:笠谷 和比古
紙版
内容紹介
江戸中期、財政破綻に直面した真田松代藩の再建を託された恩田杢。その改革の過程を描き、当時から経世の書として読み継がれてきた『日暮硯』を読み解いて、再建に成功した理由とリーダーの資質を、史実から検証する。
目次
序章 改革の時代と恩田杢/『日暮硯』を読む(『日暮硯』と恩田杢〈真田松代藩の深刻な財政窮乏/恩田杢の藩政改革/改革の模範として読まれた『日暮硯』/真田伊豆守幸弘の英知/恩田杢の抜擢/家内一門の引き締め〉以下細目略/恩田改革が本格的に始まる/財政改革の核心/『日暮硯』の写本とその流布)/恩田杢と松代藩宝暦改革(杢登場以前の松代藩/恩田改革の実像に迫る―松代藩宝暦改革の推移/財政の自立をはかる手法/『日暮硯』に現れた杢の真実)/十八世紀における諸藩の改革(改革と「押込」の狭間/独裁型改革の帰結/共治の精神を求めて)/『日暮硯』と改革の論理(率先垂範の真実/対話と説得の論理)/終章 改革成功の条件/恩田杢の宝暦改革と『日暮硯』―その現状と課題―