深海生物の「なぜそうなった?」がわかる本
著:北村 雄一
内容紹介
「同じような写真の深海生物(深海魚)の図鑑はもう飽きた」
という方、いませんか?
そんな方にぜひとも読んでいただきたいのが、この本です。
本書では特にこの2点、
・深海生物の摩訶不思議な姿形のワケ
・深海でどのように生き残ってきたかのワケ
にフォーカスし、イラストを使ってわかりやすく解説していきます。
さまざまな科学論文を調査し、ネットでは得られない深海生物の情報を、
200点近いイラストでとことんていねいに解説していますので、
深海生物ファンには見逃せない一冊です。
目次
序章 なぜそうなった? 深海で生きる生物たち
第1章 0~200mの世界に住む生物たち
海の底はどうなっている?
海の中の流れ
植物プランクトン
動物プランクトン
大型捕食者と分解者
深海はどのように分けられる
深海生物の日周鉛直運動
深海魚の稚魚たち
第2章 200~700mの世界に住む生物たち
<なぜそうなった?>デメエソの目は管状になっていて、網膜は2つもある
<なぜそうなった?>テンガンムネエソは背中を向いた管状眼をもつ
<なぜそうなった?>ホタルイカは光迷彩をもつ
<なぜそうなった?>ギンオビイカは発光液で敵を驚かす
<なぜそうなった?>ビワアンコウは雄が極端に小さい
<なぜそうなった?>ヨコエソは小さいときは雄だが、成長すると雌に性転換する
<なぜそうなった?>ハダカイワシは脂肪が詰まった浮袋をもつ
<なぜそうなった?>メガマウス1種のためだけにメガマウス科が設けられた
<なぜそうなった?>ダルマザメは獲物の体にクッキー型の歯形を残す
<なぜそうなった?>ミズウオの胃の中からしばしばプラスチックごみが見つかる
<なぜそうなった?>ホテイエソはヒゲが光る
<なぜそうなった?>ダイオウイカはイカのくせにまったく食用に向かない
<なぜそうなった?>ユウレイイカの4番目の腕は塩化アンモニウムを多く含んでいる
<なぜそうなった?>ベニオキナエビスガイは対になった内臓をいまだもつ
<なぜそうなった?>ウミユリは腕を花びらのように広げる
<なぜそうなった?>シーラカンスは逆立ち泳ぎをする
<なぜそうなった?>オウムガイの殻の中には身ではなくガスが詰まっている
<なぜそうなった?>深海の海底をクモヒトデが一面をおおう
<なぜそうなった?>ラブカはサメなのに、ウナギ体型でヘビ頭
北の深海生物と南の深海生物
<なぜそうなった?>オピスソプロクツスの口はオチョボロ
第3章 700~1000mの世界に住む生物たち
<なぜそうなった?>クジラウオの目は退化している
<なぜそうなった?>ミツマタヤリウオの目の下の発光器は雄のほうが発達している
<なぜそうなった?>ホウキボシエソは赤い光で周囲を探る
<なぜそうなった?>トグロコウイカは貝殻の名残りを体にもつ
<なぜそうなった?>ミツクリザメはシャベル状の鼻面をもつ
<なぜそうなった?>ナガヅエエソは深海に突っ立つ
ソコダラの仲間とギンザメ
<なぜそうなった?>コンゴウアナゴはカレイの体内からときどき見つかる
第4章 南極海に住む生物たち
過酷な南極海の自然
エサとなるアイスアルジー
<なぜそうなった?>コオリイワシは凍らない体液をもつ
コオリウオの生活
第5章 1000~3000mの世界に住む生物たち
希薄な海中の生態系
変わりもの、ホソオヨギヒモムシ
<なぜそうなった?>イカでもタコでもない、10本腕をもつコウモリダコ
<なぜそうなった?>ウミグモ類は内臓が足にある
<なぜそうなった?>トカゲギスは鼻で泥を掘る
<なぜそうなった?>ヌタウナギは顎がない
<なぜそうなった?>ソコボウズは数千mの深さに住む生き物では最大級の1.3mにもなる
深海の巨人たち
第6章 化学合成生物の世界
硫黄臭い海水と群がるバクテリア
<なぜそうなった?>ガラパゴスハオリムシは消化器も口も肛門さえももたない
<なぜそうなった?>リミカリスは背中に光を感じる器官がある
クジラの死骸に群がる動物たち
<なぜそうなった?>サツマハオリムシは水深80mの浅海に住む
第7章 3000~6000mの世界に住む生物たち
<なぜそうなった?>深海ナマコは海底をなめまわる
<なぜそうなった?>深海ユムシの巣穴から放射状に跡が残る
<なぜそうなった?>見た目は貝のネオピリナにはエラや筋肉などがある
生物の少ない外洋の深海底
<なぜそうなった?>サウマティクティウス・アクセリは口の中に発光器をもつ
第8章 6000m以深の世界に住む生物たち
<なぜそうなった?>シンカイヨロイダラは4000~6400mの海溝に住む
高圧の壁と消えゆく生物たち