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扶桑社文庫

名著で読む日本史

著:渡部 昇一

紙版

内容紹介

内容紹介

いま日本人が、「国史」という美しい「虹」を見るための必読書!

『古事記』、『神皇正統記』、『大日本史』、『近世日本国民史』など、古代から現代まで、日本史という美しい「虹」を眺めるための名著16冊を題材に、日本の歴史の見方を学ぶとともに、その真髄に迫る!

目次

○目次○

序にかえて――歴史とは何か、国史とは何か

第1章 古代
1 『古事記』……日本神話と日本人
稗田阿礼の驚異的な記憶力から生まれた日本最古の歴史書
日本語の基礎を築いた太安万侶
写本が少ないのは『古事記』が本物の証拠
『古事記』には日本の神話の元になる話がつまっている
神話が現代につながっているという驚き
和歌、連歌の源も『古事記』にある

2 『日本書紀』……古代日本人の歴史の実像
王朝の歴史を記した最初の本
自分の国を「中国」と呼んでいた古代日本人
なぜ「一書曰」という形式を採用したのか
「一書曰」が教える古代日本の姿

3 『栄華物語』……昔も今も歴史はスキャンダラス!?
女性の手による初めての歴史物語
作者とされる赤染衛門とは
和文体の国史の時代――『栄華物語』と「四鏡」
『水鏡』には大友皇子の即位が記されている
『栄華物語』『大鏡』『水鏡』『今鏡』に連なる史書『増鏡』


4 『平家物語』……歴史のドラマと日本人的無常観
『平家物語』の価値と成り立ち
小学唱歌となった『平家物語』の名場面

第2章 中世
5 北畠親房『神皇正統記』……南朝正統を主張する書に何を読み取るか
大日本は神国なり――『神皇正統記』を貫く史観
南朝正統論と三種の神器
天皇の起源を明らかに示す
政治の教訓を天皇に示した『神皇正統記』
北畠親房の仏教観
言行こそが君子の命運を決定する

6 『太平記』……中世の日本を知るために必読の軍記物語
世の中の人々に広く読み継がれた『太平記』
時代を変えた「錦の御旗」の出典となる
『神皇正統記』と一対になった『太平記』
漢詩に描かれた名場面

7 岡谷繁実『名将言行録』……戦国・江戸期に活躍した武将たちの生き方
応仁の乱の前後で大きく変わった日本人
信長と秀吉について書かれた数々の本
戦国時代の名将たちの息づかいまで伝える名著
歴史家に無視された一級史料

8 原勝郎『日本中世史』……目からうろこの連続の歴史絵巻
日本史を古代・中世・近世に三区分した原勝郎
音読したくなる名文と鋭い指摘
武士の勃興が新しい文明を開いた
自由を保ち、報恩を絶対的な道徳とした東国武士
『建礼門院右京大夫集』に描かれた公家の生活
起こるべくして起こった承久の乱
西洋人にわかる日本史を書こうとした原勝郎

第3章 近世
9 山鹿素行『中朝事実』……尊王思想はこの本を読むと理解できる
幕府の学問である朱子学を批判した山鹿素行
国体論として絶対的な価値を持つ『中朝事実』の序文
乃木大将が涙ながらに昭和天皇に献上した本

10 徳川光圀『大日本史』……世界に誇る全三百九十七巻の歴史書に書かれていること
大事業の指揮を執った水戸光圀
神仏混淆を嫌い、領内の寺社改革に手をつける
『本朝通鑑』の誤記に憤慨した光圀
「簡略よりも詳しく」という方針のもと徹底的に史料を集める
『大日本史』の三大特色
完成までに二百五十年、世界に誇る大歴史書の誕生

11 頼山陽『日本外史』……歴史書〝空前のベストセラー〟誕生の背景
大ベストセラーとなった『日本外史』
日本史のハイライト六十六景を漢詩にして描いた『日本楽府』

第4章 近現代
12 伊藤正徳『軍閥興亡史』……日本はなぜ第二次世界大戦を戦ったのか
『坂の上の雲』の先の日本を書いた『軍閥興亡史』
大権干犯問題と陸海軍大臣現役武官制の論点を明確に指摘した唯一の本
明治、大正、昭和をつなぐ貴重な軍事史

13 徳富蘇峰『近世日本国民史』……今、注目したい国民史・全百巻
「明治という偉大な時代を書きたい」と考えた徳富蘇峰
徳富蘇峰と水戸光圀の類似点
秀吉の朝鮮征伐に関する最も詳しい本
戦争による無念の中断
時代と格闘して天寿を全うした見事な生涯

14 辻善之助『日本文化史』……日本文化の核心とは何か
文献によって徹底的に実証する
史実に基づいて個人が書いた最高で最後の通史

15 R・F・ジョンストン『紫禁城の黄昏』……封印されてきた満洲国の歴史の真実
岩波文庫版から削除された部分に書かれていたこと
古本市場から姿を消した原書『Twilight in the Forbidden City』
シナの歴史は王朝の変遷史である

16 東條英機『宣誓供述書』……東京裁判史観の呪縛を解く!
日本人が読むべき「世紀の書」、歴史家にとっての「最重要文献」
東條証言が重要な五つの理由
正しい歴史を知る第一歩として

付録 渡部昇一『裸の総理たち32人の正体』……「後世の日本」という視点で見る功罪
戦後の二大宰相、岸信介と吉田茂はどこが違ったか
岸、吉田の外交センスはどちらが上か
全く評価できない二人の首相、細川護煕と宮沢喜一

あとがき

著者略歴

著:渡部 昇一
渡部昇一(わたなべしょういち)昭和5(1930)年山形県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学留学。Dr.phil.(1958)、Dr.phil.h.c.(1994)。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。その間、フルブライト教授としてアメリカの4州6大学で講義。専門の英語学のみならず幅広い評論活動を展開する。昭和51年第24回エッセイストクラブ賞受賞。昭和60年第1回正論大賞受賞。英語学・言語学に関する専門書のほかに『知的生活の方法』(講談社現代新書)、『古事記と日本人』『日本史から見た日本人(古代編・中世編・昭和編)』(以上、祥伝社)、『渡部昇一「日本の歴史」(全8巻)』(ワック)、『知的余生の方法』(新潮新書)、『[増補]決定版・日本史』『決定版・人物日本史』『名著で読む世界史』(以上、育鵬社)などがある。

ISBN:9784594076955
出版社:扶桑社
判型:文庫
ページ数:232ページ
定価:640円(本体)
発行年月日:2017年04月
発売日:2017年03月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ