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日中韓メディアの衝突

新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係

編著:李 相哲

紙版

内容紹介

日本、中国、韓国のメディアは自国の政治、そして三国関係にいかなる影響を及ぼしてきたのか。本書では、日中韓三国のジャーナリストとメディア研究者が、各国メディアが戦後どのような道を歩んだかをふまえたうえで、その国際報道が国際関係に及ぼした影響を解明する。またメディアがナショナリズムといかに関わり、産業としていかなる発展を見せたのかも解明する。

目次

序 章 日中韓をめぐるメディアと政治(李 相哲)


 第Ⅰ部 日中韓メディアの組織構造 

第1章 韓国歴代政権のメディアとの戦争――金大中・盧武鉉政権の言論統制を中心に(晋錫)
 1 新聞発行の自由と統制
 2 新聞発行の許可制と言論統制
 3 金大中政権の言論弾圧
 4 盧武鉉政権のメディアとの戦争
 5 その他の新聞関連法の問題点
 6 憲法裁判所の違憲決定
 7 終わりに代えて

第2章 現代中国のマスメディア産業構造――1978~2014年の間の変遷を中心に(文 春英/隋 欣/呉 瑩瑩)
 1 マスメディア産業の変遷(1979~2014年)
 2 マスメディア広告市場の起伏(1983~2014年)
 3 マスメディア構造の変遷(1983~2014年)
 4 マスメディア構造の変遷と段階区分
 5 変化の真只中にある中国マスコミ産業

第3章 日本の政治システムとメディア産業(畑仲哲雄)
 1 日本型マスメディアの形成
 2 巨大化・複合化するマスメディア
 3 統治システムとメディアの階層

第4章 北朝鮮における「メディア政治」――権力維持のための権力によるメディア(李 相哲)
 1 メディアは統治の道具
 2 メディアの本質と北朝鮮政治
 3 北朝鮮メディアの現況と組織構造
 4 メディアに対する管理と統制
 5 メディア統制の実態
 6 先行研究と結論


 第Ⅱ部 日中韓の政治とメディアの報道

第5章 日本の雑誌ジャーナリズムによる権力監視――『週刊文春』による舛添要一・東京都知事の疑惑報道を事例に(小黒 純)
 1 雑誌は衰退するのか
 2 事例研究――舛添要一・東京都知事の問題をめぐる報道(総論)
 3 事例研究――公私混同疑惑の報道(各論)
 4 考察――雑誌ジャーナリズムの仕事
 5 調査報道とスクープ

第6章 中国の政治と報道規制――習近平指導部下のメディア規制(渡辺陽介)
 1 象徴的事件
 2 悪化するメディア環境
 3 強まる外国メディア規制
 4 海外メディアへの不信感
 5 西側メディアへの挑戦
 6 国内メディアの海外報道

第7章 日中メディアが見た「日清戦争120年」――論調の相違と問題点、東南アジアからの視点(卓 南生)
 1 日中メディアの日清戦争記念報道の落差
 2 日本メディアの日清戦争記念報道に隠された歴史観
 3 「明治維新」をどのように見、「日清戦争」の教訓をどう汲み取るか

第8章 中国におけるソーシャルメディアと主流メディア――「二つの世論の場」をめぐって(王 昕)
 1 伝統メディアから新メディアへ
 2 メディアの融合と新たな社会世論の場

第9章 テレビ報道とネットの10年――日本と中国、取材現場からの考察(山川友基)
 1 テレビ報道の使命
 2 尖閣諸島沖漁船衝突事件
 3 中国駐在で見た中国の変化とインターネット
 4 インターネットですれ違った日中関係
 5 日本政治とインターネット
 6 ネット規制強める習近平国家主席
 7 事件から六年後の尖閣諸島で何が
 8 オリンピックイヤーを迎える東アジア

 第Ⅲ部 日中韓のメディア産業
第10章 日中韓に「同舟新聞」の夢(若宮啓文)
   共同研究者、若宮啓文氏を偲ぶ(李 相哲)

第11章 中国におけるテレビ産業の変革の必要性(劉 偉/張 宏)
 1 改革の背景と要因
 2 産業組織の分析枠組み
 3 テレビ局の伝統的コンテンツ産業における改革と効果
 4 新メディア環境におけるテレビ局の変革
 5 テレビと新メディアとの競争・協力的な発展

第12章 中国におけるソーシャルメディアの実態――発展の軌跡と現状(劉 揚)
 1 中国におけるソーシャルメディアの発展状況
 2 ソーシャルメディアの中国社会に対する影響
 3 ソーシャルメディアに対する中国政府の規制

あとがき
事項索引
人名索引

著者略歴

編著:李 相哲
2017年3月現在 龍谷大学社会学部教授

ISBN:9784623079414
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:280ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTP2