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都市経営時代のアーバンデザイン

編:西村 幸夫
他著:高梨 遼太朗
他著:黒瀬 武史

紙版

内容紹介

人口減少と社会の成熟が進み、ハードとソフトを併せた都市政策が求められている。【現場における】デザインの力を信じ共有できる都市生活の実感を梃子に実践を進めているデトロイト、バッファロー、シュトゥットガルト、南相馬市小高区、バルセロナ、ミラノ、柏の葉、横浜、台北、ニューヨーク、マルセイユ、ロンドン、フローニンゲンを紹介

目次

はじめに

1部 人口減少時代のアーバンデザイン
1章 積極的な非都市化を進める ── デトロイト
   高梨遼太朗・黒瀬武史
      1・1 人口減少と荒廃の先に
      1・2 荒廃の経緯と特徴
      1・3 草の根活動の広がり
      1・4 選択と集中計画の試行錯誤
      1・5 戦略的長期計画デトロイト・フューチャー・シティ(DFC)と
          都市計画の地と図の反転
      1・6 DFCの影響と限界
      1・7 地区単位の積極的非都市化への到達過程

2章 縮退工業都市の戦略とブラウンフィールド ── バッファロー
   黒瀬武史
      2・1 縮退都市とブラウンフィールド問題
      2・2 縮退工業都市の未来を拓く
      2・3 ブラウンフィールド再生を地区の再生に繋げる
      2・4 工業都市の再生を促す産業と戦略

3章 成長都市から定常化へのパラダイムシフト ── シュトゥットガルト
   坂本英之
      3・1 ドイツ都市のパラダイムシフト
      3・2 ドイツ都市計画の特徴
      3・3 土地利用の原型をつくったバウシュタッフェルプラン
      3・4 シュトゥットガルト市の都市計画の動向
      3・5 インテグレートされた都市開発プログラム
      3・6 シュトゥットガルト21と州民投票
      3・7 丘陵地の整備 ──グリーンUからグリーンリングへ
      3・8 生活者の都市シュトゥットガルト

4章 原発被災地域の復興における経営 ── 福島県南相馬市小高区
   窪田亜矢
      4・1 経営概念と原発被災地域
      4・2 福島県南相馬市小高区の事例分析
      4・3 原発被災地域の復興における経営

2部 成熟社会を支えるアーバンデザイン
5章 社会的弱者と向き合うポスト都市再生のアーバンデザイン ── バルセロナ
   阿部大輔
      5・1 空間再生のバルセロナ・モデルの系譜
      5・2 公共空間主導の地区再生 ──「つくる」からマネジメントへ
      5・3 バルセロナ都市再生の光と陰
      5・4 社会的包摂を支えるアーバンデザイン

6章 革新的ランドスケープを用いたアーバンデザイン ── ミラノと柏の葉
   宮脇勝
      6・1 ミラノ垂直の森
      6・2 柏の葉アーバンデザイン
      6・3 ランドスケープを主軸にアーバンデザインを考える意義

7章 文化芸術創造都市からインナーハーバー再生戦略へ ── 横浜
   野原卓・鈴木伸治
      7・1 「港町」横浜の誇りと再生 ──海都横浜の誕生と遺伝子
      7・2 横浜の都市デザイン ──六大事業から文化芸術創造都市へ
      7・3 クリエイティブシティ・ヨコハマによる都心再生戦略
      7・4 創造界隈拠点形成によるツボ押し戦略
      7・5 インナーハーバー再生戦略
      7・6 横浜都市戦略のゆくえ

8章 保全型アーバンデザインから創造都市戦略へ ── 台北
   楊惠亘・柏原沙織・鈴木伸治
      8・1 変化するアーバンデザイン像
      8・2 台北におけるアーバンデザインの変遷
      8・3 歴史地区保全とアーバンデザイン
      8・4 URSの仕組みと展開
      8・5 産業遺産の保全と活用
      8・6 北門における景観保存
      8・7 実験を重ねるアーバンデザイン

3部 都市生活のデザインへ向かう「合意形成とリーダーシップ」
9章 企業経営者ブルームバーグ市長のもとでの都市空間再編 ── ニューヨーク
   中島直人
      9・1 再び、アーバンデザインの先進地へ
      9・2 都市空間を再編する長期ビジョンとリゾーニング
      9・3 都市のイメージを刷新する新たな公共空間の創出
      9・4 ブルームバーグ以後のニューヨーク

10章 斜陽都市を欧州文化首都に押し上げる大統領と市長の牽引力 ── マルセイユ
   鳥海基樹
      10・1 地方分権性善説を疑う
      10・2 文化政策を梃子とした都市再生
      10・3 アーバンデザイン・ニュー・ディール
      10・4 凋落都市から欧州文化首都へ

11章 広域自治体大ロンドン庁による歴史的都市景観の形成戦略 ── ロンドン
   岡村祐
      11・1 計画主導によるスカイラインの形成
      11・2 広域的眺望景観の保全
          ──ランドマークへの眺めの保全から多様なスカイラインの形成へ
      11・3 世界遺産の周辺環境の保全
          ──バッファゾーンによらない世界遺産周辺エリアの保護手法の開発
      11・4 「新たな」歴史的都市景観の探求

12章 自転車都市にみる都市再生と合意形成 ── フローニンゲン
    坪原紳二
      12・1 オランダを代表する自転車都市
      12・2 都心に出会い機能を再生する
      12・3 住宅地の史跡公園を再生する
      12・4 都心の歩行空間を再生する
      12・5 自転車都市のブランド化

著者略歴

編:西村 幸夫
1952年福岡県生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、同大学院修了。明治大学助手、東京大学助教授を経て、現在東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授。著書に『都市保全計画』(東京大学出版会)、『環境保全と景観創造』『西村幸夫風景論ノート』『西村幸夫都市論ノート』(以上、鹿島出版会)、『町並みまちづくり物語』(古今書院)など。編著に『都市の風景計画』『日本の風景計画』『都市美』『路地からのまちづくり』『証言・まちづくり』『証言・町並み保存』『風景の思想』『都市空間の構想力』(以上、学芸出版社)、『まちづくりを学ぶ』(有斐閣)、『まちの見方・調べ方』『まちづくり学』(以上、朝倉書店)など。
他著:高梨 遼太朗
1989年東京都生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、同工学系研究科都市工学専攻修士課程修了。現在、総合商社に勤務。
他著:黒瀬 武史
1981年福岡県生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、同工学系研究科都市工学専攻修士課程修了。株式会社日建設計 都市デザイン室、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教を経て、現在、九州大学大学院人間環境学研究院都市・建築学部門准教授。共著に『アーバンデザインセンター ─開かれたまちづくりの場』(理工図書)、『世界のSSD100 ─都市持続再生のツボ』(彰国社)など。

ISBN:9784761532284
出版社:学芸出版社
判型:B5
ページ数:224ページ
定価:3700円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年03月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPT