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日経BPクラシックス

世界宗教の経済倫理 比較宗教社会学の試み 序論・中間考察

著:マックス・ウェーバー
訳:中山 元

紙版

内容紹介

訳者の中山元さんの解説から、一部抜粋した。

 ウェーバーの宗教社会学は、三部構成となっている。その目次を次に掲げてみよう。

<第一巻>
 序
 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
 『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』
   世界宗教の経済倫理-比較宗教社会学試論
   序論
   第一部 儒教と道教
   中間考察
<第二巻>
   第二部 ヒンドゥー教と仏教
<第三巻>
   第三部 古代ユダヤ教

 この構成から明らかなように、ウェーバーの宗教社会学は大きく分けて、プロテスタントの倫理を考察する『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』および『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』の部分と、東洋と中東の宗教の倫理を問う『世界宗教の経済倫理』で構成されているということである。この『世界宗教の経済倫理』は具体的には、第一部で中国の儒教と道教を考察し、第二部でインドのヒンドゥー教と仏教を考察し、第三部ではユダヤの古代ユダヤ教を考察するものとなっている。そしてウェーバーはこれらの三つの地域における宗教的な経済倫理は、プロテスタンティズムとどのように異なり、それが資本主義の成立や興隆の実現をどのようにして妨げたのかを、丹念に追跡していくのである。
 これらの三部の考察は大部な著作として残されているが、これらの個別研究とは別に、ウェーバーは宗教倫理と経済の関係について考察する総論に該当する文章を、『世界宗教の経済倫理』に含めている。それが冒頭の「序論」と中国の儒教と道教の考察が終わったところで執筆された「中間考察」である。
 「序論」には、これらの世界宗教の考察の方法論的な点検が行われるが、これは「中間考察」でも続けられており、これは中間的な考察であると言うよりも、序論の議論をさらに展開した文章となっている。

目次

<第一巻>
 序
 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
 『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』
   世界宗教の経済倫理-比較宗教社会学試論
   序論
   第一部 儒教と道教
   中間考察
<第二巻>
   第二部 ヒンドゥー教と仏教
<第三巻>
   第三部 古代ユダヤ教

著者略歴

著:マックス・ウェーバー
一八六四~一九二〇。ドイツを代表する社会科学の巨人。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、本書や『儒教と道教』、『ヒンドゥー教と仏教』、『古代ユダヤ教』からなる「世界宗教の経済倫理ーー比較宗教社会学試論」、死後にまとめられた『経済と社会』を構成する『支配の社会学』『支配の諸類型』などの政治社会学、法社会学に加え、『古代社会経済史』や『ロッシャーとクニース』など、膨大な著作を残した。

ISBN:9784822255008
出版社:日経BP
判型:4-6
ページ数:220ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2017年01月
発売日:2017年01月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRA