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オはオオタカのオ

著:ヘレン・マクドナルド
訳:山川 純子

紙版

内容紹介

野生との絆を結ぶ鮮烈なメモワール
 幼い頃から鷹匠に憧れて育ち、最愛の父の死を契機にオオタカを飼い始めた「私」。ケンブリッジの荒々しくも美しい自然を舞台に、新たな自己と世界を見いだす鮮烈なメモワール。
 2007年夏、「私」は雌のオオタカの幼鳥を自宅に迎え、「メイベル」と名づける。その飼育と調教を通じて思索を深めながら、父の死を乗り越えていくまでの1年余りのエピソードが30のユニークな章に綴られる。
 オオタカと暮らし、戸外で飛ばす日々の営み、「私」の心の揺れ動き、その一瞬一瞬が生き生きと克明に語られる。鷹の生態をはじめ、周辺の気候や風景、動植物の描写はみずみずしく詩的で、とりわけ鷹狩りのシーンは息をのむ迫力である。
 各章の随所に、英国の作家T・H・ホワイトの『オオタカ』と、彼の葛藤と矛盾に満ちた人生を「私」が語り直すような印象的なパラグラフが挿入される。半世紀近く前に生きた人物と作品に肉薄し、著者とホワイトの間には時代を超えた同志とも呼ぶべき関係が生まれ、感動を呼ぶ。
 2014年度コスタ賞およびサミュエル・ジョンソン賞に輝き、各紙誌の年間ベストブックに選出、世界20か国で翻訳された、英米50万部超のベストセラー!

著者略歴

著:ヘレン・マクドナルド
イギリスの作家、詩人、画家。父は写真家で、幼少期から猛禽を愛し、鷹匠に憧れる。ケンブリッジ大学で学び、同大学特別研究員を経て、鷹の調教をはじめ、BBC制作のドキュメンタリーや自然をテーマとするラジオへの出演など多彩な活動に従事。本書は2014年度サミュエル・ジョンソン賞(ノンフィクション部門)およびコスタ賞(伝記部門)を受賞、後者ではその年の受賞作の中から大賞に選ばれた。他の著書にFalcon(2006年、白水社より近刊)がある。
訳:山川 純子
名古屋に生まれ、鎌倉で育つ。慶應義塾大学文学部国史および美学美術史専攻、アリゾナ大学美術史(写真史)修士課程修了。訳書にB・アイゼンシュタイン『わたしはホロコーストから生まれた』(原書房)、M・O・フィッツジェラルドほか『インディアン・スピリット』(めるくまーる)、B・ブルンナー『月』、『水族館』(白水社)、共訳書にV・ポマレッド編『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』(ディスカヴァー)、S・キャヴァリア『世界アニメーション歴史事典』(ゆまに書房)。美術展図録等の翻訳多数。

ISBN:9784560095096
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:360ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2016年09月
発売日:2016年09月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SV