神道の形成と中世神話
著:伊藤 聡
紙版
内容紹介
神道史に関する研究は、近年、歴史学・文学・宗教学などの分野で広く見直しが行われている。中世において全国に広まった神仏習合を説く本地垂迹思想の展開を、天照大神と愛染明王との関係や、祝詞や和歌の習合、小笠原流の弓術書の由来譚などから検討する。中世神話や神道書の成立、神道諸流の形成過程にも触れ、日本思想史研究上での到達点を示す。
目次
序文/中世神道研究の歩み(戦前戦後の中世神道研究〈戦前の「神道」研究/本地垂迹と中世神道の復権/戦後の「神道」研究〉/説話研究と中世神道〈一九七〇年代―揺藍期/一九八〇年代―沸騰期/一九九〇~二〇〇〇年代―定着期〉以下細目略)/中世の本地垂迹思想(本地垂迹思想の展開/愛染明王と天照大神/中世における祝詞と和歌の習合/雑書の世界)/中世神道・中世神話・伊勢神宮(神道の形成と中世神話/中世における古代神話の継承と変容/幻視される始原―中世神道書における天地創成説/中世における神道説の類聚)/中世寺院と神道流派の成立(中世神道と無住/神道諸流の形成)/跋文