京城のモダンガール
消費・労働・女性から見た植民地近代
著:徐 智瑛
訳:姜 信子
訳:高橋 梓
紙版
内容紹介
1920-30年代、植民地朝鮮に資本主義が押し寄せ、恐怖と快楽が背中合わせだった京城(現・ソウル)。百貨店・劇場・映画館・最新の公共施設が建ちならぶ近代都市の街路を、断髪に洋装の「モダンガール」が闊歩した。植民地支配と近代化のはざまで登場した朝鮮のモダンガールは、ショップガールやバスガールなどの新職業婦人・妓生(キーセン)・女給・女学生・女工などさまざまな階層からなっていた。商品とイメージを消費し、労働力になり、自ら商品とされつつ、新しい生を生きようとした。
当時、「正体不明の女」「あやまてる女(モッタン・ガール)」とひとくくりにされた「モダンガール」の経験とは何だったのだろうか。
たとえば、朝鮮総督府は日本で不足している米を確保しようと「朝鮮産米増殖計画」を実施、農村は疲弊して多くの農民が流民化した。娘たちも移動し、一部は海を渡って関西の紡績工場などの女工になり、あるいは炭鉱近くの朝鮮料理店で酌婦や女給になった。彼女たちもまた、パラソルやストッキング、都会の生活に憧れ、活動写真に夢中になったモダンガールのひとりだったにちがいない。
女たちを街路へ、国境の外へと押し出した夢や欲望、困難を追い、忘れられた声を復元し、見えていなかった近代を描く韓国歴史学のニューウェイブ。
ISBN:9784622079804
。出版社:みすず書房
。判型:4-6
。ページ数:400ページ
。定価:4600円(本体)
。発行年月日:2016年04月
。発売日:2016年04月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS。