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希望のヴァイオリン

ホロコーストを生きぬいた楽器たち

著:ジェイムズ・A・グライムズ
訳:宇丹 貴代実

紙版

内容紹介

「これらの楽器は、あの世からの証言なのです。」
 テルアビブの楽器修理人アムノン・ヴァインシュテインは、一族がナチスに全滅させられたことをきっかけに、ホロコーストをくぐりぬけた楽器の修復と再生「希望のヴァイオリン」プロジェクトを立ち上げた。さまざまな人々や遺族・友人が、彼の元に楽器を持ち込んだ。
 それらのヴァイオリンは、あるものはドイツのゲットー内で結成されたユダヤ文化同盟のオーケストラで演奏され、ユダヤ人の強制収容が本格化する直前にパレスチナへ渡った。またあるものは老朽船に定員の3倍から5倍もの難民とともに詰め込まれ、各国間の外交駆け引きのはざまで、約束の地を目前にして地中海からインド洋上までたらい回しにされた。アウシュヴィッツでは、楽器を演奏できることが囚人の生き延びる可能性を高め、ノルウェーでは一挺のヴァイオリンがユダヤ人排斥運動の口実となった。そしてある日出会った楽器は、まさにアムノン自身につながる品だった――。
 メンゲレの誕生日を祝うパーティーで演奏した囚人や、ヴァイオリンの腕前を武器に両親の敵をとった少年など、苦難の時代を楽器とともに生きた演奏家たちの物語。

ISBN:9784560084786
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:292ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2016年02月
発売日:2016年02月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM