犬は何を見たのか
The New Yorker 傑作選
著:マルコム・グラッドウェル
訳:勝間 和代
内容紹介
「?(疑問)」を「!(なるほど)」に替える男、マルコム・グラッドウェル「TVショッピング」「巨大事故」「採用面接」・・・・・・独特の視点とユニークな枠組みで、世の出来事や現象をスパッと切る。『THE NEW YORKER』収録の珠玉記事19本を一挙収録。
(一部を紹介)アイデアと先見性とで、その後の世界を大きく変えた、マイナー・ジニアス(小さな業界の天才)たちの物語。
第1章 TVショッピングの王様
テレビと実演販売を融合させた「TVショッピング」。この手法を初めて考案したのは“伝説の実演販売人(ピッチマン)”として名を馳せたロン・ポピールだった。万能野菜カッターや家庭用ロティスリー(肉焼き器)を全米中に売りまくった男の“販売の極意”とは?
第2章 ケチャップの謎
アメリカのスーパーでは、何十種類ものマスタードが売られている。だが、ケチャップは大ブランド「ハインツ」がほぼ棚を独占している。なぜ、ハインツ社のケチャップは、ここまでポピュラーになったのか? そこには、“革命的なケチャップ”をつくった同社の秘策があった。
第3章 ブローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学
ビジネス書の傑作『ブラック・スワン』で一躍時の人となったナシーム・タレブ。そのタレブは、有名になる前から「変わり者のトレーダー」だった。「いつか必ず破滅的な事態が起こる」可能性に賭け、毎日損を出し続ける不思議な投資戦略。だが、正しかったのはウォール街ではなく彼だったのだ!
第4章 本当の髪の色
1950年代のアメリカ。「髪をブロンドに染めるのは、コーラスガールか売春婦」とされた時代に登場した家庭用ヘアカラーは、瞬く間に全米中の女性たちに広まっていく。その流行は、ヘアカラーに“あるメッセージ”を託した二人の天才的な女性コピーライターがつくり出したものだった。広告業界関係者必読!
第5章 ジョン・ロックの誤解
避妊薬のピルを開発したハーバード大医学部教授のジョン・ロックは、熱心なカトリックでもあったため、できるだけ「自然な避妊法」にすべく、ピルに“ある決まり”をつくる。だが、その決まりのために、ピルを服用する女性たちは大きな悩みを抱えることになった・・・・・・。
第6章 犬は何を見たのか?
どんな猛犬もたちどころに大人しく、まるで“天使のような犬”にさせることができる、カリスマ調教師のシーザー・ミラン。その秘密は、犬の“ある習性”を利用した、彼の独特な身体の動作にあった。シーザーが動くとき、「犬は何を見ている」のだろうか?
目次
目次
はじめに
第1部 マイナー世界の天才たち
偏執狂か先駆者か
第1章 TVショッピングの王様
アメリカのキッチンを征服した男
第2章 ケチャップの謎
マスタードは数十種類以上、なのにケチャップは、なぜ同じ味?
第3章 ブローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学
ナシーム・タレブが#壊滅的損失ブラックスワンの不可避性を投資戦略に転換させるまで
第4章 本当の髪の色
ヘアカラーと戦後アメリカの隠れた歴史
第5章 ジョン・ロックの誤解
#避妊薬#ピル#の開発者が女性の健康について知らなかったこと
第6章 犬は何を見たのか?
カリスマ調教師シーザー・ミランの神業
第2部 セオリーと現実がズレる理由
理論と予測と判断と
第7章 オープンな秘密
エンロン、インテリジェンス、そして情報過剰の危険性
第8章 100万ドルのマレー
ホームレスのような問題は、対処するよりも解決するほうが簡単かもしれない理由
第9章 画像をめぐる問題点
乳がん撮影と空軍力、「見る」という行為の限界
第10章 借りもの
盗作は人生を破滅させるほどの罪なのか?
第11章 点と点を結べ
インテリジェンス改革のパラドックス
第12章 失敗の方法論
ある人は緊張し、ある人はパニックに陥るのはなぜか?
第13章 爆発
チャレンジャー号の悲劇は誰の責任か? それは「誰」のせいでもなかった
第3部 第1感は正しいか
個性も知性も直感次第?
第14章 遅咲きの花
天才=早咲きの花か?
第15章 成功しそうな人間
「誰がこの仕事に向いているのか」わからないときの雇い方
第16章 危険な心
犯罪プロファイリングは容易につくられる
第17章 才能という名の神話
頭脳明晰な人間に対する過大評価とは?
第18章 採用は2秒で決まる?
面接で本当は「何」がわかるのか
第19章 トラブルメーカー
ピットブルが犯罪について教えてくれたこと