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新訳 歎異抄

「絶対他力」の思想を読み解く

著:親鸞
著:唯円
訳:小浜 逸郎

紙版

内容紹介

なぜ『歎異抄』は、私たち近代日本人にこれほど人気があるのでしょうか。▼いろいろな理由が考えられます。一つは大前提として、そもそも「宗教」という精神形態が、この世を合理的・理性的に割り切って整序していこうとする志向性にさからう本質をもっているということです。それは、近代社会の合理的な割り切り方ではどうしてもはみ出してしまう人間性の情緒的な部分に訴えかけてきます。▼欲望、不安、迷い、悩み、苦しみ、悲しみ、期待感、絶望感、これらに対して、近代社会はさまざまなかたちで一応の環境や装置を用意してくれています。しかし、それこそ人間は「煩悩具足」の存在であることをけっして免れませんから、近代社会が提供してくれる環境や装置だけで完全に満たされることはなかったし、これからもけっしてないでしょう。▼おそらくそのことを、『歎異抄』に惹かれる読者たちは、直感的にわきまえているのだと思います。(訳者「付論」より抜粋)

ISBN:9784569807379
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:200ページ
定価:950円(本体)
発行年月日:2012年10月
発売日:2012年10月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB