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反貧困と派遣切り

派遣村がめざすもの

著:湯浅 誠
著:福島 みずほ

紙版

内容紹介

2008年年末から新年にかけて、東京・日比谷公園で行われた「派遣村」は、日本のなかにある「貧困」と「派遣切り」の実態を示した。30万人とも、40万人ともいわれる派遣切り──この社会をどう作りかえていくのか、派遣村村長の湯浅誠氏と通いつめた福島みずほ氏がトコトン議論する。

目次

はじめに ── 福島みずほ

反貧困から社会運動へ ── 福島みずほ
  新自由主義の終わり
  小泉構造改革
  小泉構造改革の国家犯罪
  貧困と戦争
  社会保障と厳罰化
  どのような社会をめざすか
  セーフティーネットと雇用
  社会が連帯する希望

対論Ⅰ 年越し派遣村 ── 湯浅 誠・福島みずほ
  年越し派遣村の村長になる
  相互扶助的な空間
  貧困と派遣切りを可視化した
  人間って、捨てたもんじゃない
  派遣村は特別なものではない
  盛り上がりを着陸させる
  派遣村の人びと
  てんやわんやの派遣村
  雇用保険にたどり着けない
  エム・クルーの経験
  強制天引きが巨額に
  雇い止めと解雇の四要件
  ホームレス
  崩れた完全就業神話
  自己責任論
  すべり台社会と自殺

対論Ⅱ これからの「貧困」を考える ── 湯浅 誠・福島みずほ
  学生時代のボランティア経験
  親の期待
  世の中が落ちてきた
  「内外の問題」と「上下の問題」がつながる
  「貧困」としてとらえる
  「困ったときは役所へ行け」
  せめて肌着を着せろ
  国立大学の入学金と授業料を無料に
  これからの課題
  支え合う「場」を作る
  家族と友達
  五重の排除
  排除型社会
  シェルターと総合相談窓口

中収入・中支出型の社会 ── 湯浅 誠
  派遣村のその後
  地域巡回総合相談窓口
  「セーフティーネットお荷物論」
  中収入・中支出型の社会
  労働組合と経営者
  〈もやい〉
  「市民」の役割

著者略歴

著:湯浅 誠
1969年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得後中退。反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長。大学在学中から養護施設ボランティア、ホームレス支援、イラク復興支援などにかかわり、1995年より野宿者(ホームレス)支援活動を行う。現代日本の貧困問題を現場から訴え続け、2008〜09年の年末年始に設置された年越し派遣村では村長を務める。著書に、『本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』(同文舘出版)『貧困襲来』(山吹書店)『反貧困──「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)ほか。
著:福島 みずほ
1955年生まれ。東京大学法学部卒業。社会民主党党首、参議院議員、弁護士、学習院女子大学客員教授。ドメスティック・バイオレンス防止法・改正法、児童虐待防止法の制定、平和・労働・福祉・人権・男女平等・環境など、国会内外で 幅広く活躍。『憲法は誰のもの』(明石書店)、『こんな男とは絶対、結婚するな!』(共著、大和書房)、『神は「憲法」に宿りたまう』(共著、七つ森書館)、『結婚と家族──新しい関係に向けて』(岩波新書)、『本当に憲法改正まで行くつもりですか?』(共著、実務教育出版)、『福島みずほと31人が命を語る』(共著、社会民主党全国連合機関誌宣伝局)ほか多数。

ISBN:9784822809874
出版社:七つ森書館
判型:4-6
ページ数:176ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2009年04月
発売日:2009年04月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF