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夢が語るこころの深み

心理療法と超越性

著:渡辺 雄三

紙版

内容紹介

「夢の物語」が語る心の不思議と洞察の数々

目次

第一章 夢が物語るもの
 どうして夢なのか/夢分析という作業/「超越性」の問題/本書で紹介する夢の特徴/本書の構成

第二章 夢分析による心理療法
 心理療法としての枠組み/夢分析の臨床的方法/夢の理解と解釈/夢分析におけるこころの作業

第三章 夢にみる心理療法のプロセスとそのステージ――「超越的な世界との接触」への道程――
 Ⅰ これまでの研究にみる心理療法の過程
  伊藤による心理療法過程の四段階/グローズベック,サミュエルズによる心理療法過程の六段階/ユングによる心理療法過程の十段階/筆者の考える心理療法の十三のステージ
 Ⅱ 夢にみる心理療法のステージ――あるクライエントへの夢分析を通して――
  助け手に出会う/安心して委ねられる/傷つきを共感的に理解され受け容れられる/抑圧されてきた無意識の感情や観念に気づく/“母なるもの”“父なるもの”の支配と向き合う/目を背けてきた自身の“影”に直面する/死を体験する/死を潜り抜け再生する/内なる自己治癒力を見出す/人間としての限界を自覚する/対立するものと和解し結ばれる/超越的なものの働きを知らされる/自分固有の“物語”を発見する/心理療法の終わりに向けて

第四章 夢から学ぶ「人生の午後」
 陽が傾き始める時に向き合う/限界があることを自覚する/醜く汚いものを受容する/子どもごころを自由に遊ばせる/異性とこころ通わす/超越的なる存在に触れる/死を迎え入れる

第五章 夢に示される意識と無意識
 隠されているもの(秘密性)/入り込んでくるもの(侵入性)/探し求めているもの(被希求性)/襲いかかってくるもの(破壊性)/聖なるもの(超越性)

付章 「魂の野心」考――ユング心理学における自己実現――
 個人的体験としての「何もしないことに全力を挙げること」/絶対に開けられることはないと思われる強固な扉の前に座り続ける自我の力/「世俗の野心」と「魂の野心」/「魂の野心」へと駆り立て誘う女性(アニマ)/「魂の野心」と「自己実現」/病理現象として現われる「魂の野心」/意識と無意識,現実世界と内的世界,世俗の世界と「魂」の世界,その中間領域を生き続けること

 参考文献
 初出一覧
 あとがき

ISBN:9784000023573
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:300ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2006年11月
発売日:2006年11月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP