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憲法状況の現在を観る

9条実現のための立憲的不服従

著:石埼 学

紙版

内容紹介

立川テント村事件などの今日の言論弾圧、有事法制—国民保護法、そして全国に広がる「生活安全条令」制定などに対して、異議を唱えてきた新進気鋭の「たたかう憲法学者」が、最新の憲法状況を読み解く。誰のための憲法か? 誰が憲法の平和主義・基本的人権規定を壊すのか? と、鋭く問いかける。

目次

はじめに
第1章 新しい立憲主義のために
  1 足踏みする「改憲」
  2 もうひとつの憲法問題
  3 暴力の噴出の「兆候」
  4 立憲主義とは
  5 立憲主義の歴史における「9条」の意義
  6 「9条」のために

第2章 「憲法改正国民投票法」の基本原理
  1 基本的な視点
  2 国家権力統制手段としての憲法改正手続き
  3 憲法改正権とは何か
  4 憲法改正権の具体化

第3章 「国民保護体制」という虚妄
  1 「有事」の定義から見える虚妄
  2 「国民保護体制」構築から見える虚妄
  3 具体化の段階で見えてくる虚妄
  4 東京都の経過から見える虚妄

第4章 「生活安全条例」 安全格差社会という問題
  1 「生活安全条例」とは何か
  2 いくつかの「生活安全条例」から検討する 
  3 東京都安全・安心まちづくり条例の検討

第5章 言論弾圧に抗して
  1 広がる言論弾圧
  2 立川反戦ビラ入れ事件
  3 表現の自由の大切さ
  4 ビラの受け取りと拒否
  5 ビラは迷惑か
  6 「迷」「惑」な民主主義 

第6章 「強者社会」の中での平和的生存権
  1 9・11総選挙について
  2 「正しい」原理を言明する人は誰か
  3 何が「正しい」原理とされているのか
  4 「正しい」原理を取り戻すために

第7章 立憲的不服従のために
  1 困難な抵抗
  2 立憲主義を支える個人像について
  3 鶴見俊輔の「市民的不服従」
  4 立憲的不服従へ

著者略歴

著:石埼 学
1968年生まれ。亜細亜大学法学部助教授(憲法学)
立命館大学大学院法学研究科(公法専攻)博士課程単位 取得退学。
主な共著
研究会編『生活安全条例とは何か』2005年、現代人文社 /ハンセン病・国家賠償請求訴訟を支援する会編『ハ  ンセン病問題 これまでとこれから』2002年、日本評  論社/憲法理論研究会編『憲法基礎理論の再検討』200 0年、敬文堂
訳書
リュシアン・ジョーム著『徳の共和国か、個人の自由か ─ジャコバン派と国家1793年−94年』1998年、勁草書房

ISBN:9784916117670
出版社:社会批評社
判型:4-6
ページ数:168ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2005年10月
発売日:2005年10月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND