国境を忘れた国
ギリシャ国境から見える日本
著:小川 光一
紙版
内容紹介
国境には異なる国家や民族による長い歴史・文化・宗教と、それぞれの深い思いがせめぎあっている。たとえその材料や作り方がどうであれ、ギリシャコーヒーとトルココーヒーは、決して同じものにはなり得ないだろう。そこに民族と歴史が横たわっているから。民族紛争の火薬庫とも言われ、数多くの民族が錯綜しているバルカン半島。その北風が吹きぬけるギリシャ・トルコ国境付近の町や村を巡る時、そこで触れるものは、民族が保つべき気概と矜持(プライド)であった。静かな緊張感と国境が持つ現実。現代日本が見失ってしまった根幹がそこにある。
目次
・プロローグ -エーケ゜海の静けさの中に眠る民族の歴史ー
・ギリシャ興亡史 -ギリシャがたどってきた深い光と影ー
・記憶からの越境 -文化とはのっぴきならない唯一無二の味わいー
・民族のバザール -歴史の重層と民族の混沌ー
・オスマントルコ残影 -古のオスマントルコスピリツトー
・双子の城壁 -民族の灯を守ってきたギリシャ正教ー
・国境の町の憂鬱 ー独立・平和は、待つ事では得られないー
・エブロス川 -国境を挟んで向い合う民族・歴史・文化ー
・あとがき