長崎がうんだ奇妙人列伝
著:江越 弘人
紙版
内容紹介
「歴史の宝庫長崎」にはこれまで陽は当たらなかったが、宮原祥平、富永隼太、長崎七兵衛といった奇妙人がいた。人類はすべて「奇妙人」でもある。そこには何ら価値の差はない。お金が入ってきても、来なくても、一生懸命に自分に課せられた環境・時代・能力などに従って生きていくことは、とても尊いことである。この書を読んで一地方に生きた奇妙人を知り、共感し、さらに、己の中の奇妙人を発見してくれたら、何よりもうれしい。他人の奇妙を知り、自分の奇妙を自覚することが、人を優しくするのである。
目次
第一章 祥平じいさんの大旅行(日本の果てからこんにちは)
一 プロローグ(大旅行家宮原祥平さんの人となり)
二 祥平さん、旅に目覚める
三 祥平さんの旅、いよいよ佳境にはいる
四 終盤、哀愁の夜行列車
五 祥平さんは忍者だった?
第二章 長崎の自由民権運動(富永隼太の敗北)
一 自由民権運動ってなあに
二 遅れた長崎の自由民権運動
三 富永隼太の登場
四 明治維新から弾き出された富永家と荘家
五 隼太、衆議院に打って出る(第一回衆議院総選挙)
六 忘れ去られた長崎県での大選挙干渉(第二回総選挙)
七 隼太、国会に帰り咲く
八 富永隼太の退場(第七回衆議院総選挙)
九 隼太の晩年
第三章 まじめ人間『長崎七兵衛物語』
一 七兵衛を語るにあたって
二 長崎七兵衛の生い立ち
三 まじめで元気、気配りの平蔵(七兵衛)
四 何でもこなして切り抜けた明治維新
五 雀百まで同じ歌をうたう
六 日本人と歴史認識