台湾という新しい国
著:許 世楷
著:盧 千惠
内容紹介
第二次大戦後、中華民国が台湾を統治し今日に至るが、台湾人が真に望むのは台湾という国を作ることだと著者は言う。しかし、中華人民共和国(中国)が台湾の領有権を主張するなどの厳しい国際環境や、中国寄りの政府が誕生するといった複雑な台湾内の事情によって、台湾は容易には歩みを進めることができないでいる。その困難を切り拓くため、著者夫妻は隣国・日本の理解を求めて、本書で日本人に語りかける。著者夫妻は、日本統治時代から今日にいたるまでの台湾のあり方を、自らの人生の歩みとともに物語り、台湾という新しい国への道筋を説き、その正しさを訴える。正式な国交はなくとも、歴史に培われた親密な日台関係から、その言葉が日本人に届くことを信じて。日本にとっての台湾の重要性がひしひしと伝わってくる書籍である。
目次
まえがき 1(執筆、◇=盧千惠氏 ◆=許世楷氏)
第一章 私たちは台湾人
◇ 中国系=中国人ではない
◇ 四つのエスニック・グループ
◆ 中国人との大衝突――二・二八事件
◆ 台湾語禁止
◇ アイデンティティの混乱
◇ 日本語禁止、そして復活
◇ 台湾の本土化
◇ 顔を上げて胸を張って
◇ 台湾人としてのアイデンティティ
第二章 台湾独立運動家、33年の戦いの日々①
◆ 国民党入党への勧誘
◆ 自由の国、日本へ
◇ 出会い、そして結婚
◆ 雑誌『台湾青年』
◆ パスポートを没収される
◆ 台湾に要望書を送ろう
◇ 「台湾に政治犯はいません」
◆ ラスク国務長官来日でハンスト
◆ 柳文卿事件
◆ 私たちを助けてくれた我妻栄先生と岸信介元首相
◆ 二、三年で政府を倒すつもりが……
第三章 台湾独立運動家、33年の戦いの日々②
◆ 津田塾大学国際関係学科
◇ 「あなたの時間のほうが大事」―素晴らしい先生たち
◆ ロサンゼルスへ
◇ 台湾のために何かしたいという人々の思い
◆ FBIに睨まれて
◇ 資金集めのソーセージ
◆ 政治と人権の二段構造
◇ カーター大統領への手紙
◆ 美麗島事件
第四章 台湾に新しい憲法を
◆ 新憲法草案の誕生
◆ みずからの命を賭して
◇ 六万人が参加したお葬式
◆ 四つのグループはお互いに仲良く
◆ サッカーのルールでバスケットはできない
第五章 台湾、再発見への旅
◇ 歌で会話する人たち
◇ すべての台湾人が自信を失っていた
◇ 原住民に伝わる物語
◇ 児童文学との出会い
◇ 自信を取り戻すために
◇ 戒厳令で山にも登れず、海にも行けず
◇ 台湾人は恩を忘れない
◇ 世界人権宣言
第六章 帰国―台湾人意識の高まり
◆ 数千人の市民の大歓迎
◆ 家賃一元の聯盟台中支部
◆ 原住民たちを基本に考える
◇ 草の根運動が大きく花開く
◆ バスの中で聞いた「代表、おめでとう」
◆ 駐日代表としての私の使命
第七章 台湾と日本、国交正常化への夢
◆ 台湾人を犠牲にしないでほしい
◆ 台湾が中国に呑み込まれることはない
◆ 日本の中国に対する外交姿勢
◆ 台湾は世界でいちばん親日的な国
◆ 日本でも台湾関係法の成立を
◆ 平等な国際関係を創れるのは日本
◆ 日本人は「日本派」であるべき
◆ 「民主、自由、人権」という世界の流れ
第八章 台湾国への道のり
◆ 日本生活の総合試験
◆ 駐日代表辞任にいたるまで
◆ 対日友好活動に使命感
◆ 私の「新生国家理論」
◆ 戦後に起きた台湾の変化
◆ 台湾という新しい国へ
あとがき
ISBN:9784944235506
。出版社:まどか出版
。判型:4-6
。ページ数:256ページ
。定価:1500円(本体)
。発売日:2010年04月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB。