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フィルカル Vol. 8, No. 3

分析哲学と文化をつなぐ

紙版

内容紹介

分析哲学と文化をつなぐ哲学雑誌「フィルカル」の最新号(Vol. 8, No. 3)。「スピノザと分析哲学」特集では、合理主義の〈彗星〉スピノザを、あえて現代英米哲学の視点から解きほぐす。上野修(大阪大学)による論考など、ここでしか読めないスピノザ論。小特集「『ライプニッツ著作集』編集逸話」では、十川治江(工作舎)がライプニッツの魅力を語り、酒井潔(学習院大学)が『著作集』監訳の舞台裏を振り返る。特集「大澤絢子著『「修養」の日本近代』」では、修養・自己啓発・〈宗教っぽいもの〉をめぐり、現代人の「自分磨き」の精神構造に迫る。特集「恋愛とセックスの哲学」では、セックスの価値、性的モノ化、第三者との性的関係などをめぐる最新の哲学的議論を展開。映画『ぼくたちの哲学教室』をめぐる論考や、VTuberの存在性格をめぐる本格論文、バーナード・ウィリアムズの入門記事、そのほか新刊レビュー多数。専門家がつくる哲学誌フィルカル、今号はかつてない重厚感で、哲学と文化の《今》を伝えます。

目次

【特集:修養・自己啓発・〈宗教っぽいもの〉:大澤絢子著『「修養」の日本近代』書評会】
赤江達也 : 「メディア宗教」研究の展開——修養と宗教を問いなおす
酒井泰斗 : 〈宗教っぽいもの〉の社会学のために
坂本慎一 : 松下幸之助論から見た意義と
発展の可能性
島薗進 : 「修養」と近代日本人の自己陶冶——大澤絢子著『「修養」の日本近代:自分磨きの1 5 0 年をたどる』( N H K 出版、2 0 2 2 年)書評
大澤絢子 : 著者からのレスポンス

【特集:スピノザと分析哲学】
立花達也 : 趣意文
上野修 : 分析哲学とスピノザ?
立花達也 : 分析的スピノザ研究の古典を読む——一元論と必然主義の観点から
木島泰三 : 分析形而上学を手引に「スピノザの力の形而上学」を見いだすまで
林智行 : スピノザにおける内在的性質と外在的性質——傾向性主義・存在的構造実在論

【特集:恋愛とセックスの哲学】
岡本慎平 : 企画主旨——恋愛とセックスの哲学
岡本慎平 : 恋愛と性的問題はどのように哲学的主題となったのか——セックス哲学小史
鈴木英仁 : 性的モノ化とはなにか、(不正だとして)なぜ不正なのか
尾崎健太郎 : 恋愛の哲学におけるセックスについて

【小特集:『ライプニッツ著作集』編集逸話】
稲岡大志・筒井一穂 : 序文
十川治江 : 普遍の夢を追いつづける——『ライプニッツ著作集』編集逸話
酒井潔 : 『ライプニッツ著作集』——ハノーファーから思い出すままに

【シリーズ:哲学とセーファースペース】
西山渓 : 哲学・子ども・政治——映画『ぼくたちの哲学教室』とセーファースペース(前半)

【論文】
篠崎大河 : バーチャル YouTuber の形而上学——配信者説を擁護する

【哲学への入門】
渡辺一樹 : 「バーナード・ウィリアムズ入門」第4回

【対談】
玉田龍太朗 : 「哲学と自己啓発の対話」Ⅱ・第4回

【イベント報告】
筒井一穂 : VTuberの哲学——VTuberとビデオゲームの世界

【連載】
和辻龍 : これが高校生の本音?!——本当の自分を知っている?

【応答】
井頭昌彦 : ガダマーから飛んでくるであろう問いは(今のところどれくらい)現代の社会科学方法論争に刺さっているのか
【紹介】
清水雄也 : 井頭昌彦(編著)『質的研究アプローチの再検討——人文・社会科学からEBPs まで』」

【レビュー】
吉田廉 : 古田徹也『謝罪論』(柏書房、2023年)

【紹介】
大谷弘 : 自著紹介——『道徳的に考えるとはどういうことか』(筑摩書房、2023年)
藤木篤 : 書籍紹介——松田毅・藤木篤・新川拓哉編『3 S T E Pシリーズ[ 6 ] 応用哲学』( 昭和堂、2023年)
小西卓三 : 監訳書紹介——『誤謬論入門——優れた議論の実践ガイド』で議論研究を考え、議論教育を教えるときにわたしの語ること( 前編)

ISBN:9784943995371
出版社:ミュー
判型:A5
ページ数:464ページ
価格:2300円(本体)
発行年月日:2023年12月20日
発売日:2023年12月20日