出版社を探す

オリンピア

著:デニス・ボック
訳:越前 敏弥

紙版

内容紹介

記憶と鎮魂のファミリー・ヒストリー

第2次世界大戦をきっかけにドイツからカナダへ移住した家族を描く連作短編集。静かで平和に見える一族の生と死が詩情豊かに語られる。点景としてのオリンピック、断片としての家族の歴史。


——レニ・リーフェンシュタールが編集したあとの映像から、この話を語ることはできないだろう。何マイルにも及ぶサブプロットや暗示的な映像が切り刻まれて黒いリボンに何度もまとめられ、忘れ去られた。

——ぼくたち家族の才能は永遠のものだと思っていた。

装釘 宗利淳一

目次

Ⅰ 結婚式
Ⅱ オリンピア
Ⅲ ゴーレム
Ⅳ ルビー
Ⅴ 荒天
Ⅵ スペイン
Ⅶ マドリード上水道
謝辞
訳者あとがき

著者略歴

著:デニス・ボック
1964年生まれのドイツ系カナダ人作家。オンタリオ州オークヴィル出身。ウェスタン・オンタリオ大学で英文学と哲学を専攻、卒業後さらに5年間マドリードで暮らす。現在、トロント大学などで文芸創作を教えるかたわら、作品を発表している。本作 Olympia はデビュー作で、1997年にDanuta Gleed Literary Award、1998年にBetty Trask Award などを受賞した。第二作 The Ash Garden(2001年、『灰の庭』小川高義訳、河出書房新社、2003年)は2002年にカナダ日本文学賞を受賞。ほかにThe Communist's Daughter(2006年)、Going Home Again(2013年)、The Good German(2020年)がある。最新作 The Good German は、ヒトラーが暗殺された世界のその後を描いた歴史改変ディストピア小説で、Olympia と同じくドイツ系カナダ人たちの姿を描いている。
訳:越前 敏弥
越前 敏弥
1961年生まれ。文芸翻訳者。訳書『世界文学大図鑑』『世界物語大事典』(以上、三省堂)、クイーン『Yの悲劇』、ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(以上、KADOKAWA)、ダウド『ロンドン・アイの謎』、ブラウン『真っ白な嘘』(以上、東京創元社)、ハミルトン『解錠師』(早川書房)、マッキー『ストーリー』(フィルムアート社)など。著書『文芸翻訳教室』(研究社)、『翻訳百景』(KADOKAWA)、『名作ミステリで学ぶ英文読解』(早川書房)、『はじめて読む! 海外文学ブックガイド』(河出書房新社、共著)など。

ISBN:9784911068007
出版社:北烏山編集室
判型:A5変
ページ数:248ページ
価格:2500円(本体)
発行年月日:2023年12月15日
発売日:2023年12月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB