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境界 BORDER vol.3

他著:川口友恵
他著:富山浩子
他著:佐々木洋子

紙版

内容紹介

「大東亜戦争の記憶」を綴る手記集、待望の第3集。

「境界」シリーズは、国家同士における相容れぬナショナリズムの境界、その諍いから生じた生と死を分けた境界、戦前・戦中・戦後という時代の境界をを赤裸々に綴る戦争体験者の手記集です。ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮によるミサイル実験、台湾有事など、新たな“戦前”の様相を呈してきた現代、その危機を回避するヒントが戦争体験者の証言から読み取れます。人類にとって永遠のテーマである「不戦不争」を希求する平和へのメッセージが綴られています。

広島県福山市で空襲に罹災した川口友恵さん、戦時中に病死した妹の戸籍が戦中・戦後の混乱の中で抹消されてしまった富山浩子さん、満州からの過酷な引き揚げを体験された佐々木洋子さん、福島県小名浜に疎開中にアメリカ軍機から機銃掃射された菅田すみよさん、山形県の長閑な田舎にも迫ってきた戦争の気配を少年でありながら感じとっていた米野宗禎さん、陸軍少年飛行学校に入校し特攻要員となった上野辰熊さん、戦時下の閉塞感漂う暮らしを軍歌や母の歌声を支えに乗り切った下條秦生さん。以上7名の手記を第3集では収録。さらに“戦争花嫁”をライフワークとしてきた安冨成良さんの特別寄稿「戦争花嫁にとっての戦中と戦後」も掲載しました。題字「境界」は満州で育ち、ソ連兵に銃撃された俳優・宝田明さん(2022年3月14日他界)が揮毫したものです。

目次

はじめに
戦時下の片隅を生きて 川口友恵
戦中と戦後に二度死んだ妹 富山浩子
齢重ね風の盆にて父思う 佐々木洋子
泥まみれで耐えた機銃掃射の恐怖 菅田すみよ
「八月や六日九日十五日」の教え 米野宗禎
忘るまじ出撃待機の命令 上野辰熊
戦時下に心の灯となった母の歌声 下條秦生
[特別寄稿]戦争花嫁にとっての戦中と戦後 安冨成良
時代背景

著者略歴

他著:川口友恵
1934(昭和9)年10月30日、広島県福山市生まれ。父親は市内でレストランを経営。戦争末期には商店街にあったレストラン兼自宅が建物疎開の対象となる。建物の取り壊し準備を進める中、1945(昭和20)年8月8日の福山空襲に罹災。福山市郊外の母方の実家へ避難後、岡山県総社市の父方の親戚宅へ身を寄せて終戦を迎える。2カ月後、一家は瓦礫の山と化した福山市へ戻り小売業を開始。戦後の発展や進駐軍の姿を目の当たりにして育つ。
他著:富山浩子
1938(昭和13)年3月20日、東京都生まれ。1944(昭和19)年4月、第二日暮里国民学校入学。一学期を終えた夏休みに一家で茨城県へ縁故疎開。9月18日に妹が病死、大人に代わって喪主を務める。一旦帰京したのち、静岡県へ再び縁故疎開するが、1945(昭和20)年6月19日の静岡大空襲に遭遇。三度目の疎開先である栃木県で終戦を迎える。終戦後の戸籍簿の改製で戦時中に亡くなった妹の存在が戸籍から抹消されていた。
他著:佐々木洋子
1932(昭和7)年4月18日、北海道美瑛村(現・北海道上川郡美瑛町)生まれ。1939(昭和14)年、一家で満州へ移り住む。1945(昭和20)年4月、旅順高等女学校へ入学し、親元を離れて寄宿舎生活に入る。同年8月9日、ソ連が満州に侵攻。両親と連絡が途絶したまま、旅順中学校の寄宿舎にいた兄や従兄弟らと共に大連の親戚宅へ避難。1947(昭和22)年2月、佐世保港に引き揚げ。戦後は親戚宅や知人を頼り、兄と二人での生活を送る。

ISBN:9784911042021
出版社:ユニコ舎
判型:4-6
ページ数:270ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2023年11月
発売日:2023年11月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ