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やりがいある介護・後悔しない介護

ケアライフコンサルタントが考えるしあわせ人生のつくり方

著:飯野三紀子

紙版

内容紹介

「人生100年時代」は、誰もが高齢者になる時代と言い換えることができる。誰もが高齢者になるということは、親を介護する可能性が高まり、いつか自分も介護される側に回る可能性も高くなるということだ。それほど介護が身近な問題になっているにもかかわらず、実際の介護は要介護者や介護者の希望が十分に反映されていない介護プランでスタートするケースが多い。そこに要介護者の不満が生まれストレスを感じ、介護には「やらされ感」が生まれてしまう原因がある。本書では介護経験豊富な著者が、介護における「人生会議」の提案などをとおし、要介護者と介護者、お互いの人生を豊かにする介護の在り方を提案する。

目次

まえがき

第1章 介護は「他人事」ではなく「自分事」
―─介護をジョブ・クラフティングする

予告ななく突然に始まる介護――相談者Yさんの場合①
自宅に戻れぬまま亡くなった父親――Yさんの場合②
双方納得の選択が何より重要
介護のための「人生会議」
「介護=高齢の親の介護」とは限らない
「介護は経験しないとわからない」と心得ておく
介護は「他人事」ではなく「自分事」
介護を「人生の一つのステージ」ととらえる時代
「ジョブ・クラフティング」という視点
介護もキャリアの一つ
「やらされ感満載」を「やりがいのあること」に
介護は人間力アップと人生充実のチャンスになる

第2章 介護との「正しい距離感」を考える
―─できることを奪わない、見守ることも立派な介護

時代に合わせて変わり続ける介護保険制度
介護に対する心構えをしっかり持つことが重要
納得できるところまで関われば後悔はない
「ちょっと待って、よくよく考えれば」という癖をつける
介護費用は「ざっくり把握」、使える資金は「しっかり把握」
高額出費を招いたナースコールの教訓――契約書チェックは必須
理想は「オーダーメイド」、現実は「前向きな妥協」
最期を迎えるまでの生き方
在宅介護の限界
入居型高齢者施設の誤解を解く
介護は家族の生活もガラリと変える
持つべきものは「介護友だち」
「介とも」と気持ちを分かち合う
「介護がつらい……」とならないために
地域包括支援センターをフル活用する
なぜデイサービスに行きたくないのか
ヘルパーさんを受け入れてもらうときのポイント
会話が衰えをスピードダウンさせる
家族間の「情報更新」をしておく
ヘルパーさんとの会話が弾む小道具を用意する
スパルタ的介護のすすめ
結局、介護は耐える力

第3章 介護版「人生会議(ACP)」のすすめ
―─納得のいく介護と人生完成のために

「介護なんて先のこと」と棚上げしない
いつか始まる介護生活の前に「人生会議」を
エンディングノートの落とし穴
介護版「人生会議」のやり方
まず「本人が大切にしていること」を聞き出す
要介護者が信頼できる人を決める
介護の希望を細かく具体的に記録しておく
「人生会議」で本音を聞き出すには
「もしバナゲーム」をやってみよう
「人生会議」のポイントは「リアルに考える」こと
リアルに考えると「決めておくこと」がはっきりする
「死んでしまう場合」から遡ってみる
よく生きることは、よく死ぬこと
理想は「家族全員での人生会議」
真剣な「人生会議」は家族観にまで行き着く
主役抜きの「人生会議」でもメリットはある
「人生会議」の見直しを恒例行事に
医療技術の進歩、法律改正時も見直しのタイミング
お墓は誰が守るかも決めておく
自分が死んだ後のことまで考えておく
「言いっぱなし」はNG
自分のための「人生会議」
「死」を感じるから「生」を意識できる

第4章 介護は自分を成長させるチャンス
―─介護で身に付く一〇の能力

「仕方なく」の中に「やりがい」を見つける
介護で身に付く能力①――時間管理能力
介護で身に付く能力②――忍耐力
介護で身に付く能力③――観察力と想像力
介護で身に付く能力④――判断力と対応力
介護で身に付く能力⑤――コミュニケーション力
介護で身に付く能力⑥――傾聴力
介護で身に付く能力⑦――情報収集力
介護で身に付く能力⑧――継続力
介護で身に付く能力⑨――ストレスマネジメント力
介護で身に付く能力⑩――アンガーマネジメント力
介護は「心の筋トレ」

第5章 介護は要介護者と介護者との共同プロデュース
―─介護の犠牲者にならず、人生一〇〇年時代を生き抜くために

「人生会議」の主役は医療従事者ではない
リサーチのために介護休暇を使う
介護は要介護者と介護者との共同プロデュース
「介護は子どもの務め」という先入観を捨てる
「おひとりさま」になったらどうするか
カウンセリングを利用してでも自分のタイプを知っておく
疲れたら休む
人と比べない、反省しない、完璧を求めない
介護とネガティブ・ケイパビリティ

あとがきにかえて 母の歌声が教えてくれたこと

著者略歴

著:飯野三紀子
(社)介護離職防止対策促進機構理事。ココロとカラダのケアラボ主宰。
企業の人事部経験を経て、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして従事。2000年に叔母、叔父、母などの介護が次々始まり、5人の介護と4人の看取りを経験。介護離職を機に独立し、現在も要介護4の母を介護しながら、働く人の「心の健康」と「キャリアや介護と仕事の両立」支援を行っている。ウェルリンク(株)にて「介護とこころの相談室」を立ち上げ相談に従事。介護者と認知症当事者が集う場として「ここからカフェ」を毎月開催。著書に『仕事を辞めなくても大丈夫! 介護と仕事をじょうずに両立させる本」(方丈社)がある。

ISBN:9784910818061
出版社:方丈社
判型:4-6
ページ数:216ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBPN