今なら間にあう
著:長野 晃
紙版
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内容紹介
『ギブスベッド』『コーヒーブレイク』『わが道を行け』に続く、第4歌集。
長野晃の短歌は作者の人間が生き生きとしており、時代に対する洞察力もまたたしかである。係累をはじめとするさまざまな人間も社会のひとりとして深くとらえられている。そして何よりもあらゆるテーマが自然体となって結実していることである。(水野昌雄・本書「栞(転載)」より)
【5首選】
ひしめける通勤電車に労働法労組法を揺れながら読む
原爆の投下の時刻近づけりいよよ高まるクマゼミの声
あっけらかんと晩夏の空の青々と心に映る影
連れ合いの叱咤の的なる僕である長生きせよとの声と聞きおりつなく
治安維持法闊歩の歴史読みながら今なら間にあう今なら間に合う
装幀:秋山智憲