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ajuma books

咲ききれなかった花 

ハルモニたちの終わらない美術の時間

著:イ・ギョンシン
訳:梁 澄子
解説:北原 みのり

紙版

内容紹介

涙なくしては読めない感動の美術の授業! 日本軍「慰安婦」被害者たちが、絵を描くことを通して自らの傷と向き合い解放されていく姿を、温かい視点で描いた本。彼女たちが描く心の叫びが聞こえてくる絵画はどのように描かれ、どのような意味があったのか。著者はハルモニたちに絵画で自己表現するきっかけを与えた美大を卒業したばかりの女性。「ナヌムの家」の門をくぐり、ハルモニたちの心の扉にノックし続け扉が少しずつ開けられていく過程を著者の絵とともに編んだ大変貴重なオールカラーの一冊。

目次

日本の読者の皆さまへ 
はじめに 
偶然
まなざし
震える手
お試し期間
ハルモニ美術クラス
孤独な情熱
隠された傷
やまない苦痛
新たな試み
赤い唇
ひたむきに
とまどい
変化
故郷
悪い手
後ろ姿
絵画謝罪事件
パンツ、はかせな
あの時、あの場所で
好奇心
供出
悪夢
ガラクタ
朴玉蓮姉さん
出会い
沐浴する娘たち
連れて行かれる
責任者を処罰せよ
絵画になった苦痛
最後の授業
鳥になった姜徳景ハルモニ
エピローグ 遅咲きの花
注釈 
美術の時間」の背景
訳者あとがき 梁澄子
出版背景にあるもの 北原みのり
巻末付録 ハルモニたちの絵

著者略歴

著:イ・ギョンシン
イ・ギョンシン
弘益大学絵画科を卒業し1993 年から5 年間、ナヌムの家に暮らす日本軍性奴隷制被害者ハルモニとの美術の時間をとおして世代を越えた温かい友情を育んだ。内外でハルモニたちの絵の展示会を開き、日本軍性奴隷制問題を知らせることに一助した。ハルモニたちとの美術の時間をきっかけに仁荷大学美術教育大学院で精神疾患患者の美術治療の可能性について学んだ。このような経験は自ずと美術の公共的・社会的順機能に対する関心へとつながり、その後、国内移住女性たちを対象とする美術治療授業をおこなってきた。日本軍性奴隷制問題をテーマにした絵を描き、現在も画家として作品を製作し韓国、日本、ドイツ等で展示会を開いている。
訳:梁 澄子
梁 澄子
一般社団法人「希望のたね基金」代表理事。通訳・翻訳業。1990年から日本軍「慰安婦」問題に関わる。1993 年提訴の在日朝鮮人「慰安婦」被害者宋神道さんの裁判支援をおこない、2007 年にドキュメンタリー映画『オレの心は負けてない』製作。現在、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表、戦争と女性の人権博物館日本後援会代表を兼ねる。共著書に『海を渡った朝鮮人海女』(1988年・新宿書房)、『朝鮮人女性が見た慰安婦問題』(1992年・三一書房)、『もっと知りたい慰安婦問題』(1995 年・明石書店)、『オレの心は負けてない』(2007 年・樹花舎)等。訳書に尹美香著『20年間の水曜日』(2011 年・東方出版)。
解説:北原 みのり
北原 みのり
作家、女性のためのプレジャーグッズショップ「ラブピースクラブ」を運営する(有)アジュマ代表。本書のために2021 年アジュマブックススタート。希望のたね基金理事。著書に『日本のフェミニズム』(河出書房新社刊)など多数。

ISBN:9784910276014
出版社:アジュマ
判型:4-6
ページ数:312ページ
価格:2700円(本体)
発行年月日:2021年06月
発売日:2021年06月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS