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セレクション韓・詩 03

数学者の朝

著:キム・ソヨン
訳:姜信子

紙版

内容紹介

見えない場所、聞こえない声、いまだない言葉
語りえない物語のために

詩が広く愛されている韓国において
文学性と社会性を兼ね備え、深く心に刻まれる詩を紡ぐ
キム・ソヨンの単著詩集を初邦訳。

韓進自動車の労働者の闘争に寄り添って書かれた「主導者」、
映画「詩人の恋」で朗読された「だから」など、49編を収録。

第八回日本翻訳大賞受賞作『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』の監訳者
姜信子による翻訳でお届けします。


「詩は読み解くものではなく、生きるもの。
 埋めるべきものがあるとすれば、
 それは、詩を生き、旅を生きる自分自身の空白なのですから。
 この詩集を手に取って旅人となったあなたも、それは同じ。
 今さら気づいても、もう引き返せない。
 (ああ、なんてこと、キム・ソヨン!)」
――姜信子(訳者あとがきより)


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「セレクション韓・詩」は、
韓国語で紡がれた同時代の詩のことばを贈るシリーズです
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目次

第一部 遺書なき皮膚を軽蔑します
陰/ああ、バートルビー/主導者/数学者の朝/だから/おもちゃの世界/平澤/そういうこと/定食/愛と希望の街/オキナワ、チュニジア、フランシス・ジャム

第二部 痛みは若葉の色に
旅人/ひとり/反対語/激戦地/痛みは若葉の色に/ワンルーム/一味ども/夜明け

第三部 便りが必要
熱帯魚は冷たい/重なりあう椅子/望遠洞/外に生きる人/郵便受け/噓/ほこりの見える朝/誕生日/風船人間 /坑/別れる者のように/内面の内情/誰かが隣でしきりに問いかける/ふたり/秘密の花園/傾きについて―シン・ヘオクに

第四部 河と私
異邦人になる時間/河と私

第五部 遠い場所になりたい
未来が降りそそぐなら/失敗の場所/ふとんの不眠症/広場の見える部屋/幸いなること/メタファーの質量/終バスの時間/在ること、成ること/二十回の二十歳/ほんとにほんとに楽しかった/ガリバー/玄関

解説 凛々しく悲しく――ファン・ヒョンサン

訳者あとがき ああ、なんてこと、キム・ソヨン!

著者略歴

著:キム・ソヨン
著:キム・ソヨン
詩人。露雀洪思容文学賞、現代文学賞、李陸史詩文学賞、現代詩作品賞を受賞。
詩集『極まる』『光たちの疲れが夜を引き寄せる』『涙という骨』、エッセイ集『心の辞典』など多数発表。
邦訳に、第八回日本翻訳大賞受賞作品『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(姜信子監訳、一文字辞典翻訳委員会訳 クオン)、エッセイ集『奥歯を嚙みしめる 詩がうまれるとき』( 姜信子監訳、奥歯翻訳委員会訳 かたばみ書房) がある。
訳:姜信子
翻訳:姜信子
作家。横浜生まれ。主な著書に、『棄郷ノート』(作品社)、『ノレ・ノスタルギーヤ』『ナミイ! 八重山のおばあの歌物語』『イリオモテ』(岩波書店)、『生きとし生ける空白の物語』『路傍の反骨、歌の始まり』( 港の人)、『声 千年先に届くほどに』『現代説経集』( ぷねうま舎)、『平成山椒太夫 あんじゅ、あんじゅ、さまよい安寿』( せりか書房)、『はじまれ、ふたたび』( 新泉社)、『語りと祈り』(みすず書房)、共著に『忘却の野に春を想う』( 白水社)など多数。
また、訳書に『あなたたちの天国』(李清俊 みすず書房)、『モンスーン』(ピョン・ヘヨン 白水社)、共訳に詩集『海女たち』( ホ・ヨンソン 新泉社) 『たそがれ』( 黄晳暎 クオン)、監訳に『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(キム・ソヨン クオン) 等がある。

ISBN:9784910214504
出版社:クオン
判型:4-6変
ページ数:176ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2023年11月
発売日:2023年11月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC