東洋哲学序説 西田幾多郎と双面性
著:西平直
紙版
内容紹介
東洋の論理と西洋の論理のはざまで、独自の思考の筋道を拓いた西田の格闘、その今日的な意義を、井筒俊彦の華厳哲学理解と重ねつつ、あらためて定位しようとする。
個物と一般者、一と多、現象と実在、これら二項の分離できず、一体ともなしえない矛盾をはらんだ双面的事態……実在にいたらんとする思考の運動に伴走し、それを内側から名づけようとする東洋的思考の現象学。
目次
目 次
序 章 「東洋的世界観の論理」
Ⅰ 西田哲学と「事事無礙」──井筒俊彦の華厳哲学理解を介して
第一節 後期西田哲学と華厳思想
第二節 華厳の「事事無礙」──井筒俊彦の華厳哲学理解
第三節 後期西田の「個物E」「一般者A」「媒介者M」
──図式的説明を手がかりとして
第四節 弁証法的一般者としての世界
──後期西田の「個物」と華厳の「同体の論理」
Ⅱ 西田哲学と『大乗起信論』││井筒俊彦『意識の形而上学』を介して
第一章 「起信論一巻読了」の意味──論文「実在に就いて」に至るまで
第二章 明治期哲学と論文「実在に就いて」──『起信論』との関係
第三章 『起信論』と「双面性(非一非異)」
──井筒俊彦『意識の形而上学』を手がかりとして
第四章 「絶対即相対」の論理と『起信論』
──「離言真如(語り得ぬこと)」と「依言真如(語り得ること)」、
および「逆対応」