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古民家のみらい

成熟した社会を目指して

著:松井郁夫

紙版

内容紹介

古民家は、無名の職人たちの優れた「技術」と「技能」によって建てられています。山も素材も豊富だった、「むかし」の仕事は、手間を惜しまずに骨をおった職人たちの、無欲で無心な努力の結集です。

わたしたちの使命は、今なお生き続けている古民家をつくった、名もない職人たちの志を引き継ぎ、古民家の「架構」と「仕組み」を伝えることだと思います。

生活が今のように便利ではない頃も、人々は心豊かに暮らしていたと思います。
真の豊かさは、「本物」の無垢の木や土などの「本来」のもの、つまり自然素材に囲まれて暮らすことだと考えます。目指すべき「みらい」は、見たこともない新しい空間の中にあるものではなくて、豊かな「むかし」の記憶につながる「懐かしい未来」の中にあるものだと考えます。

この本の再生事例は、架構を裸にしてから直す「スケルトン改修」です。動かせない柱や梁をそのままに、「骨」と「皮」にして抜本的な蘇生を目指します。

目次

わたしたちがつくる「古民家のみらい」
・「漢方の本陣」江戸時代の町家の再生
・「古民家モダン」むかしといまをみらいにつなぐ
・「篆刻美術館」石蔵の再生
・「鷹見泉石記念館」茅葺きの武家屋敷
・「高ハッポウの古民家」光と風が吹き抜ける
・「鎌倉古今」古民家ホテル&レストラン
・「数寄屋の再生」公共施設として公開
・「わらびの古民家」昭和の民家
・「おもてなしの古民家」集落の再生
・「再架構の家」古材を集めてつくる
・「豪雪地帯のワンルーム」明治の町家再生
・「杣人の小屋」近くの木を使う
・「かやぶきの古民家」みんなで刈った茅
・「鷹巣の古民家」火災の痕跡のある家
・「田舎暮らしを楽しむ家」繭蔵の移築再生
・「那須の移築別荘」解体に学ぶ仕組み
・ 生協「いいの診療所」かくして母屋は残った
・「まちつくり酒屋・情報銀行」RC造と古民家の再生

ISBN:9784910069043
出版社:ウエルパイン書店
判型:A4
価格:5000円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AMK