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在日。

「複眼思考」で生きる

著:朴 仙容

紙版

内容紹介

悩める在日三世の君へ。
四世、五世へとつなぐために、
君たちの拠って立つところを、
私と私の家族のことを通して記しておきたい。

「今は在日三世の時代。四世や五世になると、日本国籍を持つ者が殆どだ。韓国籍の在日も意識は日本人と変わらない。それでも日韓の諍いは彼らの胸にも重く圧し掛かる。どちら側にも立てなく、中立とも言い難い。日本側や韓国側に、あっちにいったり、こっちにいったりしている。媚びているのじゃない。両国人の思いが分かるのだ。両国は仲良くしてほしい。それが今の在日の願いである。」(本文より)

  * * *
●『東洋経済日報』のエッセイ欄(2013~22年)寄稿60篇ほか「在日三世の必読書」等収録
●「跋文:「日韓」における不偏不党と普遍性を求める朴仙容さん」北海商科大学教授・国際交流センター長 水野俊平氏

目次

はじめに:「在日」取扱説明書
●第1章 我が七十五年の人生を振り返る
「反日思想」は、独立運動とは全く異質なものだ/僕の生育史/十九歳の夏、祖国との出会い/僕の履歴、帰属心は日韓のどちらに?/ソウルで青年娯楽情報誌創刊の経緯/「在日」の微妙な立ち位置/韓服に下駄履き/東アジア全土を視野にした出版計画/韓国版『プレイボーイ』誌の誕生/発行人孫牧人先生
●第2章 「在日」についての、我が思い
在日韓国人義勇軍/在日力について/「在日」の強みを生かすプラス思考/絆を深める「在日」の系譜/日韓関係悪化よりも「在日」史/『金石範評論集』/「在日」のブレイクスルー
●第3章 我が家族への強い思い
在日企業の社会貢献/三世代通史の「在日物語」/僕の家族/自慢のアボジ/苦しい時の神頼み/日韓夫婦の子どもたち/アボジの背中/日韓は仲良く、今ではそれが「在日」の願いである
●第4章 我思う、故に我あり
本国小旅行/どっちの味方だ?/ロッテお家騒動の波紋/戦後五十年史映像『在日』/日韓相互理解のために/旧朝鮮銀行/在日コリアンを誇りたい/「在日」のプラス思考/良い韓国人も悪い韓国人も皆殺せ!/「在日」話あれこれ/東京五輪・「在日」選手団を夢想 /日韓会談/敗戦日/反対給付/ある在日韓国人牧師の生涯/からいはうまい/やはり在日コリアンは複雑だ
●第5章 我が想い、未来に
甘川文化村/共演、サムルノリと和太鼓/卑怯の戒めが教育の真髄/十字架のある風景/北九州韓国会館/夢のあとさき/和韓融合食品/アジア音楽活動集団「アジ縁」/アジア共同体/選挙の争点/新移民政策/『帝国日本の植民地を歩く』/人災も危険水域。政治家の劣化/日本人の忘れもの/福岡市が国家戦略特区部長を公募/フィールドワーク研究会/それでも中国に住む理由/老人力、侮るなかれ

●寄稿:あなたにとって「在日」とは、どのような存在でしょうか?
 小学校時代に一緒に遊んだガキ大将・大水君との苦い思い出[板井一訓]
 在日朝鮮人集落とともに生きる[河原敏男]
 元夫は在日三世。在日のイメージは、元夫の性格とダブって短気で、愚痴っぽい[匿名]
 在日問題を切羽詰まった問題としないままにしてきたのは、見た目がほぼ一緒というのも影響[鵜澤和宏]
●在日三世の必読書
●我が家の「在日」の始まり
跋文「日韓」における不偏不党と普遍性を求める朴仙容さん[水野俊平]
あとがき

著者略歴

著:朴 仙容
1947年,北九州市生まれ,在日韓国人二世。拓殖大学卒業。2000年,韓国食品普及処「株式会社海龍」創業。現在,相談役。日韓融合食品研究室室長。著書に『親韓親日派宣言』(亜紀書房,1997年),編訳に『兄弟の江』(李憙雨著,竹書房,2009年)。在日問題研究会主宰。

ISBN:9784910038636
出版社:花乱社
判型:4-6
ページ数:188ページ
価格:1500円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JBF