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OMUPブックレット NO68

大学研究者へのワーク・ライフ・バランス支援 ―女性支援からケア支援へー

著:巽真理子

紙版

内容紹介

本書は、研究者へのワーク・ライフ・バランス支援について、日本社会のジェンダー規範から議論する。大学にとどまらず、支援される側/支援する側の両方から、ジェンダー平等な職場づくりを考える一冊である。
「女性研究者支援」としてスタートした現在の研究者支援には、支援対象を女性に限定することで「女性=ケアを抱える存在」とみなすことにつながる、ケアを抱える男性研究者は「マジョリティの中のマイノリティ」であり「男性=ケアを抱えない存在」とみなされがちである、というジェンダー規範がみられる。そのため今後は、性別に関わらず「ケアを抱えた研究者」への支援にしていく必要がある。
2000年代に新しく大学に現れた、支援する側のコーディネーターという職業についても、その専門性や身分について学術的に考察している。コーディネーターは社会学的視点とジェンダー視点を活かす専門職として、学内外で活躍できる存在になっていくだろう。

目次

はじめに
本書の視角 ワーク・ライフ・バランス支援とジェンダー
第Ⅰ部 日本の大学における研究者のワーク・ライフ・バランスとジェンダー
 第1章 文部科学省による女性研究者支援政策とジェンダー規範
 第2章 大阪府立大学における研究者のワーク・ライフ・バランス支援とジェンダー規範
コラムⅠ 男性研究者への支援の視点「マジョリティの中のマイノリティ」

第Ⅱ部 大学の研究者支援を支える専門職としてのコーディネーター
 第3章 大学のジェンダー平等を推進するコーディネーターという専門職
コラム2 「女性研究者支援のための担当者自主学習会」の挑戦
    「つながることの意義―これまでに何を得たか、そしてこれから」
                宮崎大学 清花アテナ男女共同参画推進室 清水 鈴代
    「コーディネーターという仕事と自主学習会について
                    ―たった一人のための支援であったとしても」
                群馬大学 ダイバーシティ推進センター 長安 めぐみ
 第4章 親支援に必要な社会学視点とジェンダー視点

おわりに ワーク・ライフ・バランス支援を女性支援からジェンダー平等なケア支援へ
参考文献
執筆者紹介

ISBN:9784909933485
出版社:大阪公立大学共同出版会
判型:A5
ページ数:78ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN