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抵抗者の物語

初期アメリカの国家形成と犯罪者的無意識

著:白川 恵子

紙版

内容紹介

叛逆的暴力と愛国的雄姿との転倒的ゆらぎ

正典作家・作品研究ではない、埋もれているテクストや、読み捨てられる類の大衆作家による多様な物語群から、アメリカ国家生成・独立建国以来、潜在しつづける矛盾と、体制に叛逆する精神を探るアメリカ文学・文化研究。

名もなき者たちの取るに足りない営為が、ナラティヴを成す

目次

序章 自浄作用としての抵抗と犯罪の物語

第1章 売れる偉勲・憂うる遺訓――メイソン・ロック・ウィームズの『ワシントン伝』再考

第2章 アメリカン・イーグルとバード・ウーマン――国璽決定プロセスと先住民ピースメダル「外交」

第3章 魔女の物語とインディアン――ジョン・ニールの『レイチェル・ダイア―』とアメリカ文学の独立

第4章 詐欺師的独立宣言――『スティーヴン・バロウズ回想録』とシェイズ叛乱のパロディー

第5章 ナンシー・ランドルフ・モリスの幸福の追求――誘惑小説の実演転覆とジェファソン周辺の「幸福の館」

第6章 ウォーナー・マッケアリーの復讐――元奴隷と白人モルモン妻の奇妙なダブル・パッシングの一事例

第7章 帝都の物語――アンテベラムの都市犯罪小説と建国祖父の遺産継承

第8章 奴隷的不服従――ルイザ・メイ・オルコットのセンセーショナル・スリラー

第9章 そして誰もが黒くなった――アリス・ランダルの『風は去っちまった』における再生の政治学

第10章 ツァラル島再――マット・ジョンソンの『ピム』におけるダーク・ピーターズの復権

著者略歴

著:白川 恵子
東京都出身、同志社大学文学部英文学科教授
慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程修了、博士(文学)。共著:『エスニシティと物語り――複眼的文学論』(金星堂、2019)
『繋がりの詩学―近代アメリカの知的独立と〈知のコミュニティ〉の諸相』(彩流社、2019年)『アメリカ文学における幸福の追求とその行方』(金星堂、2018年)Ways of Being in Literary and Cultural Spaces (Cambridge Scholars Publishing, 2016)『幻想と怪奇の英文学II――増殖進化編』(春風社、2016年)『アメリカン・ロードの物語学』(金星堂、2015)『ヒッピー世代の先覚者たちーー対抗文化とアメリカの伝統』(小鳥遊書房,2019)

ISBN:9784909812209
出版社:小鳥遊書房
判型:A5
ページ数:384ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB