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人と住まい文庫 14

民間貸家経営と家主の果たした役割

くいつぶし型経営の歴史的意義

著:佐藤 和宏

紙版

内容紹介

本書のキーとなる問いは、いま住まいがどうして問題になったのか、ではなくて、これまで住まいがどうして問題にならなかったのか、という問いである。戦後の高度経済成長期を中心とした、主に東京の民間貸家経営をくいつぶし型経営と呼ぶが、副業的・兼業的に個人経営がなされるがゆえに、「適切な」利潤が圧迫されても、経営が継続されるという特殊性を有しているのが、くいつぶし型経営の定義である。このくいつぶし型経営が、住まいの問題に対して様々な役割を果たしたことによって、住まいの社会問題化を未然に防いだのではないか、と考えた。本書では、高度経済成長期におけるくいつぶし型経営とその意義にスポットを当てて、現在の住まいの問題についてどう考えたらいいかという問いに貢献したい。

目次

はじめに―なぜ今、住まいが問題になったのか
1 どうして民間借家が問題なのか? ―くいつぶし型経営の歴史的諸前提
2 くいつぶし型経営 ―戦後日本の民間貸家経営
3 くいつぶし型経営の諸機能
4 くいつぶし型経営の変容と現在
5 まとめ

著者略歴

著:佐藤 和宏
1988年、静岡県生まれ。現職、高崎経済大学地域政策学部准教授。東京大学人文社会系研究科博士課程修了、博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(DC1)、東京大学社会科学研究所特任研究員、高崎経済大学地域政策学部講師などを経て現職。専攻は住宅政策論、社会学。主な論文に「コロナショックは住宅問題にどのように現れているか」『地域政策研究』など。

ISBN:9784909395139
出版社:西山夘三記念すまい・まちづくり文庫
判型:A5
ページ数:46ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月01日