出版社を探す

詩人の遠征 13

草森紳一の問い

その「散歩」と、意志的な「雑文」というスタイル

著:愛敬 浩一

紙版

内容紹介

多元的に活躍した草森紳一についての評論を集めた一冊。
その晩年近く、『随筆 本が崩れる』などによって、草森紳一は〝稀代の蔵書家〟として、再び名をはせる。2008年3月に70歳で亡くなるが、門前仲町の2DKのマンションに三万冊とか推定される蔵書があったという。元来は中国文学者(〝鬼才〟李賀の研究)であるが、マンガや写真、デザインや広告の批評などを始めとして、ジャンルにとらわれない、意志的な〈雑文〉のスタイルを確立し、植草甚一と並び称される存在となった。横尾忠則・装幀の巨大本『江戸のデザイン』で毎日出版文化賞受賞。その死後も、新刊書が十冊以上刊行されるも、原稿用紙三千枚を超えるという〈副島種臣論〉は雑誌連載のまま、未だ出版に至っていない。北海道十勝の音更町では、現在も〈草森紳一蔵書プロジェクト〉の方々の活動が続けられている。

目次

プロローグ

草森紳一という「穴」、もしくは「穴」のなかの草森紳一

草森紳一と植草甚一と 二人の〝文体〟の魅力

散歩論
(1)頭の中にこそ足がある 『随筆「散歩で三歩」』を読む
(2)寺山修司は「散歩」をしたか
(3)「散歩」の対義語 『旅嫌い』を読む
(4)日記は「散歩」ではないだろうか 『荷風の永代橋』を読む

写真論 草森紳一『不許可写真』とベンヤミン『写真小史』

李賀 そのポイエーシスの途

草森紳一の簡単な年譜

あとがき

著者略歴

著:愛敬 浩一
1952年群馬県生まれ。和光大学卒業後、同大学専攻科修了。現代詩人文庫17『愛敬浩一詩集』(砂子屋書房)、新・日本現代詩文庫149『愛敬浩一詩集』(土曜美術社出版販売)等多数。近著に、詩集『メー・ティはそれを好まない』(土曜美術社出版販売)の他、評論・エッセイとして[新]詩論・エッセイ文庫10『詩人だってテレビも見るし、映画へも行く。』(土曜美術社出版販売)、[新]詩論・エッセイ文庫17『大手拓次の方へ』(土曜美術社出版販売)、詩人の遠征シリーズ12『遠丸立もまた夢をみる』(洪水企画)など。日本現代詩人会会員。群馬大学非常勤講師。

ISBN:9784909385352
出版社:洪水企画
判型:4-6変
ページ数:224ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年05月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB