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樹下聴風の記

著:寒河江 淳二

紙版

内容紹介

彫刻をライフワーク、建築設計を生業として歩んできた著者が折々気づいたこと、考えたこと70篇を綴ったエッセイ集。セザンヌと水墨画そしてジャポニズム、写真と写実、建築といったことから、音楽、歴史、さらには日本国憲法やマンガ、韓流時代劇ドラマまで内容は多岐に渡る。それぞれに見られる著者の鋭い視点は、著者の共感を呼び、新たな気づきにつながっていくであろう。

ー文章は人が生きた証である。寒河江さんは、今まで生きてきた多彩な人生の歩み、類いまれな感性が捉えたもの、その中で出会ったものを糧に、まさに、いま、ここに、現在形で表現しているのが大きな魅力だと思う。読者は、その魅力を心ゆくまで、存分に味わえばいいのだ。

長尾重武氏(武蔵野美術大学名誉教授、元学長、建築史学者、詩人)

目次

はじめに 2  
寒河江淳二さんの文章について 長尾重武   4
第一部 芸術のこと(一)
第一章 セザンヌと水墨画そしてジャポニズム
[01] 「夢見るフランス絵画展 印象派から
エコール・ド・パリへ」でみつけたセザンヌ15
[02] 19
[03] セザンヌと水墨画は中国絵画の「気」にも通ず22
[04] ドラッガーコレクション・珠玉の水墨画展に傍証が26
[05] ゴッホとジャポニズム 30
[06] 展覧会あれこれ(一)34
[07] 展覧会あれこれ(二)―ジャポニズム二題36
[08] ジャポニズム の広がり40
第二章 運慶なるものの広がり
[09] 展覧会あれこれ(三)46
[10] 運慶なるものを巡って(一)50
[11] 運慶なるものを巡って(二)56
[12] 運慶なるものを巡って(三)62
[13] 運慶なるものを巡って(四)67
第三章 写真と写実
[14] 我々は水平面と垂直線の中で生きている(生かされている)72
[15] 写実と写真の狭間にて(一)75
[16] 写実と写真の狭間にて(二)79
第四章 渡邊省亭
[17] 86
[18] 渡邊省亭が体得していた西洋絵画アカデミズムの
二大要素と師、菊池容斎90
[19] 渡邊省亭の事だけでない
江戸時代絵師達の中にもアカデミズムの系譜が96
[20] もう一つ見つけた 渡邊省亭 101
[21] 庭のメジロと渡邊省亭106
第二部 芸術のこと(二)
第五章 建築のこと
[22] 「東武ワールドスクエア」は凄いゾ113
[23] 清水多嘉示の彫刻「みどりのリズム」と
国立西洋美術館117
[24] 展覧会あれこれ(四)123
第六章 色々な展覧会に思うこと
[25] 展覧会あれこれ(五)127
[26] 展覧会あれこれ(六)130
[27] 展覧会あれこれ(七)―信濃の旅にのせて134
[28] 140
[29] 無言館訪問記143
[30] 展覧会あれこれ(九)篁牛人展147
第七章 音楽・演劇・舞踊そしてマンガ考
[31] 花見と滝廉太郎(一)153
[32] 花見と滝廉太郎(二)156
[33] 夏は来ぬ・三宝寺池160
[34] 丹波篠山黒枝豆162
[35] 小さい秋みつけた165
[36] マンガに見る正統芸術論(一)172
[37] マンガに見る正統芸術論(二)178
第三部 世間のこと
第八章 地球温暖化CO2主犯説
[38] 三宝寺池のこと189
[39] 地球温暖化CO2主犯説からの解放195
[40] 地球温暖化CO2主犯説199
第九章 言葉をめぐって
[41] 猫と犬あれこれ204
[42] 私の言葉狩り (一)207
[43] 私の「言葉狩り」(二)212
[44] 私の言葉狩り(三)217
[45] 220
[46] あれもこれも和製漢語224
第十章 スモウアズナンバー1
[47] スポーツとしての洗練性、国際性231
[48] スモウの力学239
第十一章 歴史・憲法・平和
[49] うわさを信じちゃいけないよー聖徳太子編242
[50] うわさを信じちゃいけないよ―なんだか変編250
[51] やんごとなきクーデター252
[52] 日本国憲法、知れば知るほど255
[53] 令和の向こうに透けて見えるもの260
[54] 平成から令和へ二転三転 中西先生ごめんなさい265
第十二章 韓流ドラマ
[55] 色々な発見を楽しんでいます269
[56] 三大悪女の凄みある魅力272
[57] 「六龍が飛ぶ」の主役三代太宗の建国の思いを
四代「大王世宗」がハングルの創製で実現276
[58] 医者が宮廷権力闘争の主役282
第十三章 宗教をめぐって
[59] 286
[60] 原宿教会290
[61] 神は空に在り293
[62] 「野の百合を見よ」296
[63] 隠れキリシタン関連遺産が世界文化遺産へ298
[64] やっぱり変だよ「潜伏キリシタン」304
[65] 原胤昭という人物310
[66] 聖霊・風・息(プネウマ/ルアク)そして気316
[67] 聖霊から「気」へ322
[68] 聖霊における「聖」と「霊」325
第十四章 身のまわりのこと 
[69] 初日の出スポットを探して330
[70] 我家の奥座敷 秩父・長瀞333
あとがき   338
引用図版資料一覧   340

著者略歴

著:寒河江 淳二
1947年山形県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒。1級建築士。東京建築士会会員。1969年日彫展初入選。以後毎年出品。1975年日展初入選。以後毎年出品。現在:日本彫刻会運営委員・日展特別会員。

ISBN:9784909199218
出版社:明眸社
判型:A5
ページ数:344ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年12月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ABA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:WF