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日本の湿原 -第2版-

第2版

著:原口 昭

紙版

内容紹介

第1版が発刊されてから約10年、全ページフルカラーで今まで白黒だった写真もカラー写真となった第2版が出来上がりました。
この10年で取り上げた湿原をとりまく状況 もかなり変化しました。2023年3月現在までの間に得られた研究成果を書き加えた内容になっています。

目次

はじめに
序章 日本の湿原の価値とその機能
1.湿原の研究/2.湿原とは/3.湿原の価値・機能・魅力/4.湿原の分類/5.日本の湿原研究の流れ/6.日本の湿原に関する文献/7.日本の湿原
第1章 海洋と湿原
1-1:砂丘と塩湿地ー春国岱ー
1.春国岱の生物多様性とその要因/2.海洋性の湿原/3.世界に2例しかない砂丘系アカエゾマツ林/4.春国岱の森林構造と更新/5.森林の立地環境とその遷移/6.春国岱の今後と保全に向けて
1-2:北海道東部の海洋性湿原ー霧多布湿原ー
1.海洋性の湿原/2.霧多布湿原の成立/3.霧多布湿原の植生/4.海水の浸入と植生による緩衝帯/5.ハンノキ林の立地条件/6.霧多布湿原の保全に向けて

第2章 霧と湿原
2-1:霧によってつくられた湿原ー落石ー
1.落石/2.霧と湿原/3.落石周辺の湿原植生/4.アカエゾマツ林/5.霧が運ぶ物質/6.大気降下物と樹木の相互作用/7.土壌凍結と渓流水/8.落石周辺の湿原の保全

第3章 山地の湿原
3-1:北海道北部の山地性の湿原
1.北海道北部の湿原/2.苦頓別湿原/3.泥川湿原
3-2:火山がつくる湿原ー九重ー
1.火山性の湿原/2.火山灰の降灰による植生の変化/3.湿原の涵養水/4.流域内の水の相互連環/5.タデ原湿原の植生/6.めまぐるしく変化する湿原植生/7.過去の植生の変遷と火山活動/8.火山と野焼きと共生する里谷地

第4章 人と湿原
4-1:浅茅野湿原
1.湿原への有機物負荷/2.湿原の化学環境と植生
4-2:サロベツ湿原
1.湿原の排水による農地への転換/2.泥炭の採掘と植生の回復
4-3:都市の中の湿原ー深泥池ー
1.都市型湿原/2.深泥池の浮島/3.深泥池の植生/4.深泥池の泥炭層とその維持機構/5.浮島の浮沈運動と水質の関係/6.浮島の下にある水層の水 質/7.水質に関する環境問題/8.水位変動にともなう土壌の物理化学的環境の変動/9.湿原の再生複合体理論/10.浮島の微地形とミズゴケの生育 /11.ミツガシワとその成長/12.微地形上の酸化・還元状態と植物の分布/13.都市型湿原の問題
4-4:湧水湿地
1.広谷湿原/2.小規模な湧水湿地のミズゴケ群落

第5章 湿原の生物と生理生態的特性
5-1:ミズゴケ
1.ミズゴケの分布/2.ミズゴケの光合成
5-2:ヨシ
1.塩湿地のヨシ群落/2.汽水域でのヨシ群落とリンの関係/3.ヨシの耐塩性
5-3:ミドリムシ(Euglena mutabilis)
1.底生のミドリムシ(Euglena mutabilis) の分布/2.Euglena mutabilisの光合成
5-4:土壌微生物による有機物分解
1.土壌微生物のはたらき/2.微生物による有機物の分解

終章 湿原の保全にむけて
1.世界各地でみられる硫酸による環境汚染/2.水環境の保全(湿原の修復)/3.日本の湿原の今後

・おわりに
・参考文献
・索引

著者略歴

著:原口 昭
北九州市立大学国際環境工学部教授
1961年生まれ。京都大学工学部卒業,京都大学大学院理学研究科植物学専攻博士課程修了。博士(理学)
専門:生態学,とくに湿原や河川の生物群集と化学的環境との相互関係の解析。
主な著書:「生態学入門」(2010年,生物研究社,編著)。ほか科学論文多数。

ISBN:9784909119377
出版社:生物研究社
判型:A5
価格:2800円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:RBGD