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Future SWOTが組織を変える

社員のアイディアを吸い上げて、会社の10年後を見通せ!

著:ニシダ ジュン

紙版

内容紹介

 クライアントが社員にささやいてくれた、誰も気づいていない生き残りのカギ。製造現場が見つけた新技術。開発現場だけが気づいている最高の差別性。そんな知恵や情報のうち、一体どのくらいが経営トップに届いているか、あなたはご存知ですか?
 本書は、生き残りや成長のカギとして、「社員が持つ情報をもっと活用したい。そのための仕組みを社内につくりたい」と真剣に考える経営者のために書きました。経営者自身が持つ哲学や知識・経験に基づいた戦略策定について解説した本は星の数ほどありますが、「社内に眠る有用な情報」を掘り起こすことは、一見回り道のように見えるためか、これまであまり注目されませんでした。ところが実は、これは圧倒的に強力な方法だったのです。その情報を掘り起こす手法が「Future SWOT」なのです。
 本書は、「Future SWOT」を開発者が解説しています。Future SWOTを活用すると、次のような効果が出てきます。
 ①社員から、普段は出てこないような情報やアイディアを吸い上げることができる。
 ②社員のアイディアに基づいて、将来の市場環境に沿った戦略を構築することができる。
 ③社員発の戦略を具現化することで、社員の士気が高まる。
 ④①~③を繰り返すことで、社員が会社のコアファンになる。
 時代の変化に伴い、社会のあり方が変わる中、会社組織のあり方もまた大きく変化することが求められています。本書が、夜の海を行く船にとっての灯台のように、経営者にとっての拠り所となってくれるはずです。

目次

第1章 情報のを吸い上げる仕組みが会社の命運を決める
 [働き方改革」が会社を殺す]
 [S社の事例]
  ● 経営のニーズはどこにある?
  ● 情報の共有化が進まない社員側の論理
  ● とりあえず、アイディアを出してみる
  ● アイディアを、戦略+予算+工期=計画に変える
  ● 仕組みをつくる
 [経営理念はアンカーポイント]
 [経営環境を踏まえる=連続性を維持する]
 [案を絞り込む=チャンピオン戦略への一本化]
 [任せるのは最後まで=カネも工期も実践も]
 [組織が変われば大きく変わる]
 コラム:大量に発生する事業承継難民と日本を襲う産業構造の危機
第2章死蔵されている、社員発の情報
 [なぜ社員の知恵は社長に上がってこないのか? ]
 [上がってきた知恵やアイディアが死蔵化すれば、社員の士気も死蔵する]
 [社員からの情報は、必ずしも活用されるばかりではない]
 [トップが働きかけないと、社員の知恵は永遠に上がってこない]
 [社長にカリスマ性がなくても]
 [言われたことしかしない社員になるのは経営者の責任]
 [ 未来を拓くカギ、情報発掘ツール〝Future SWOT〟]
 [カードなしでもFuture SWOT を実施する方法]
 [Future SWOT によるアイディア・マイニングの実施事例]
  ●年後、自社はどうなるのか?
  ● 社員は一丸に、売上げは上がる
 [長期ビジョンの大切さと「仮想将来人」モデル]
 [経営理念が果たす重要な役割とは]
 [年頭所感や朝礼の挨拶にも一定の効果がある]
 [社員が会社のコアファンになると]
 [社長の人格に勝るものはない]
 コラム:「未来志向型社員」
第3章潜在情報「ソウイエバ記憶」の集め方
 [「ソウイエバ記憶とは何か]
 [「ソウイエバ記憶」はなぜ放置されるのか(1)] —情報伝達の3要素—
 [『ソウイエバ記憶」はなぜ放置されるのか(2)] —忘れる—
 [「ソウイエバ記憶」はなぜ集まらないか(3)] —忙しい—
 [「ソウイエバ記憶」はなぜ集まらないか(4)] —デモーション—
 [人的情報を集めるための極意(1)] —心の縛りを解く—
 [人的情報を集めるための極意(2)] —皆で出し合う—
 [人的情報を集めるための極意(3)] —見える化する—
 [人的情報を集めるための極意(4)] —集めた情報を使う—
 コラム:日本的チームワークの源流
第4章 情報を吸い上げる仕組みを事業で展開させるには
 [ 集めて見える化した情報にはどんな意味があるのか]
 [見える化した情報から導き出される成功のカギとは]
 [数字がなければ判断もない]
 [仕組みづくりは、体制づくり]
 コラム‥少しでも霧を晴らすためには 
第5章 歴史上の大失敗と情報の関係
 [パソコン開発の歴史に語られる情報価値の読み間違い]
 [かくしてスペースワールドは失敗した]
 [旧日本軍の失敗]
  ● その1:戦略の基本設計における妥協
  ● その2:サンクコストに絡めとられた上層部
  ● その3:情報は上がっていたのに
  ● 対比:アメリカ軍はどう情報に対峙している
[知価社会:オープンイノベーションの柔軟性]
 [社員任せの失敗をしないためには]
 コラム‥パラダイムは変化する
第6章 社内波及と長期繁栄のための体制づくり
 [経営者にとって、会社の「ありたい姿」とは]
 [経営理念が本当に表すものとは]
 [社員が幸福を感じる瞬間(1)] —ディズニーの例—
 [社員が幸福を感じる瞬間(2)] —山田製作所の例—
 [円滑なコミュニケーションは何物にも勝る]
 [長く続く幸福を仕組みで支えるためには]
 [社内の約束ごとはどうあるべきか]
  ● 全員参加であること
  ● 選抜は全員に分かるように
  ● 予定を明示するこ
  ● 流れが変わるときはトップが自ら話をするこ
  ● 定期的に総括の機会を設けること
 [リーダー作り]
 [会社の長期繁栄について経営者が果たすべき役割とは]
 コラム:「人生の時計」の話
これでわかった!Future SWOT 実践ガイド
 Future SWOT カードゲーム
  Future SWOT カードゲームの使い方
 情報カードゲーム
  情報カードゲームの使い方

著者略歴

著:ニシダ ジュン
ニシダ ジュン
 ㈱FSコンサルティング代表取締役社長 Future SWOT©開発者
 知識活用に強みを持つコンサルタント。
 1959年北海道生まれ、北海道大学経済学部卒、新日本製鐵㈱、国連工業開発機関を経て2008年に独立。その後欧州復興開発銀行(EBRD)、国際協力機構(JICA)などで世界各国の産業開発案件に関わる傍ら、国内企業向けに経営戦略立案と実践を継続的にサポートしている。サラリーマン時代から30年以上にわたり一貫して小集団活動やプロジェクト現場における共有知の価値を研究し、経営環境を踏まえた共有知の形成にSWOT分析が応用できることを発見。このメカニズムを利用してカードゲーム・Future SWOT©を開発。企業経営者から高い評価を受け、コンサルティング実務に応用。着々と成果を上げている。
 環境ビジネスコンサルタントとしての顔も併せ持つ。中小企業診断士。

ISBN:9784909090225
出版社:ロギカ書房
判型:4-6
ページ数:236ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ