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アミダクジ式ゴトウメイセイ 対談篇

著:後藤 明生

紙版

内容紹介

蓮實重彥「後藤さんは批評家を励ましてくれる数少ない小説家なんです」(本書「小説のディスクール」より)

「千円札文学論」とは何か?
「分裂=混血の文学」とは何か?
そして日本近代文学の「超ジャンル性」とは何か?

【没後18年・待望の新刊は初の対談集】
名著『挾み撃ち』で知られる小説家・後藤明生――。電子書籍による復刊や選集『後藤明生コレクション』の刊行もスタートし再評価の機運が高まっている。収録した計22本の対談では、五木寛之、小島信夫、蓮實重彥、柄谷行人、島田雅彦らを相手に、敗戦による引揚体験や、小説の技法・文体・喜劇性、ゴーゴリやカフカなど海外文学からの影響、日本近代文学の起源などをテーマに、アミダクジのように話を脱線させながら饒舌に語り尽くす。後藤ファン必携の書。『座談篇』も同時刊行。

目次

もくじ
❖文学における原体験と方法|一九九六年|五木寛之
❖追分書下ろし暮し|一九七四年|三浦哲郎
❖父たる術とは|一九七四年|黒井千次
❖新聞小説『めぐり逢い』と連作小説をめぐって|一九七六年|三浦哲郎
❖「厄介」な世代――昭和一ケタ作家の問題点|一九七六年|岡松和夫
❖失われた喜劇を求めて|一九七七年|山口昌男
❖文芸同人誌「文体」をめぐって|一九七七年|秋山駿
❖ロシア文明の再点検|一九八〇年|江川卓
❖〝女〟をめぐって|一九八一年|三枝和子
❖「十二月八日」に映る内向と自閉の状況|一九八二年|三浦雅士
❖何がおかしいの?――方法としての「笑い」|一九八四年|別役実
❖文学は「隠し味」ですか?|一九八四年|小島信夫
❖チェーホフは「青春文学」ではない|一九八七年|松下裕
❖後藤明生と『首塚の上のアドバルーン』|一九八九年|富岡幸一郎
❖小説のディスクール|一九九〇年|蓮實重彥
❖疾走するモダン――横光利一往還|一九九〇年|菅野昭正
❖谷崎潤一郎を解錠する|一九九一年|渡部直己
❖文学教育の現場から|一九九二年|三浦清宏
❖文学の志|一九九三年|柄谷行人
❖親としての「内向の世代」|一九九三年|島田雅彦
❖小説のトポロジー|一九九五年|菅野昭正
❖現代日本文学の可能性――小説の方法意識について|一九九七年|佐伯彰一

著者略歴

著:後藤 明生
後藤明生|ごとう・めいせい(一九三二年四月四日 ― 一九九九年八月二日)

「内向の世代」の作家として知られる後藤明生(本名・正明=まさあき)は、一九三二年四月四日、朝鮮咸鏡南道永興郡(現在の北朝鮮)に生まれる。十三歳で敗戦を迎え、「三十八度線」を歩いて超えて、福岡県朝倉郡甘木町(現在の朝倉市)に引揚げるが、その間に父と祖母を失う。当時の体験は小説『夢かたり』などに詳しい。旧制福岡県立朝倉中学校に転入後(四八年に学制改革で朝倉高等学校に)、硬式野球に熱中するも、海外文学から戦後日本文学までを濫読し「文学」に目覚める。高校卒業後、東京外国語大学ロシア語科を受験するも不合格。浪人時代は『外套』『鼻』などを耽読し「ゴーゴリ病」に罹った。五三年、早稲田大学第二文学部ロシア文学科に入学。五五年、小説「赤と黒の記憶」が第四回・全国学生小説コンクール入選作として「文藝」十一月号に掲載。五七年、福岡の兄の家に居候しながら図書館で『ドフトエフスキー全集』などを読み漁る。五八年、学生時代の先輩の紹介で博報堂に入社。自信作だった「ドストエフスキーではありません。トリスウィスキーです」という…

ISBN:9784908624001
出版社:つかだま書房
判型:A5
ページ数:448ページ
価格:3800円(本体)
発行年月日:2017年05月
発売日:2017年05月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ