本願寺近代三代傳持全集 第九巻
著:大谷 光演
監:大谷 暢順
内容紹介
幕末・明治の動乱のなか宗門を教導した厳如(大谷光勝)、俳人句佛として知られる彰如(大谷光演)、そして宗教者・研究者・作家として日仏交流・現代思想を先導する經如(大谷暢順)。本願寺の三上人の著作・文化芸術を網羅した全集が発刊しました。
第9巻は彰如(大谷光演/句佛)「随筆一」と題し、現在入手困難な随筆集『法悦の一境』「断想私録」「小硯墨滓(前半)」を収録。巡錫・旅行記から、宗教論、俳句論、能楽論、時事問題まで、縦横無尽に語る珠玉の名篇が揃っています。
目次
Ⅰ 法悦の一境
序(大谷光演)
法悦の一境序(斎藤弔花)
はしがき(内田疎天)
一、 寺鐘聞ゆる村
二、 別れ難き思ひ
三、 法悦の仄青き物悲しさ
四、 心魂を揺し来る哀々の気
五、 背景ある愛情
六、 頬摺りし度き人
七、 緑色と盲女
八、 句佛一味
九、 一人の信徳
一〇、人間愁思あれば
一一、露の世ながら
一二、愛誦の古句二三
一三、信仰に生きたる人との雑話
一四、勿体なやの一句
一五、我が画境の一転機
一六、一心一竿の妙趣
一七、俳聖子規を憶ふ
一八、澄み渡る空の夕
一九、牡丹と蔵経と
二〇、熱心と聖涙の出雲
二一、流灯の悲しき懐ひ
二二、我が愛読書二三
二三、柳楊の春を思うて
二四、鐘の音
二五、島津邸の林泉
二六、我が心は人間に向ふ
二七、野は暮れ行く
二八、水の二面観
二九、淡紅色と老農
三〇、夜雨のさま〴〵
三一、能登の達磨と近江の薬師
三二、哀歌一首
三三、句に生き念佛に活く
三四、十月の落柿舎
三五、池と結びし友垣
三六、雑草か愚農か
三七、土に帰る身は
三八、清秋寸語
三九、其の日は近し
四〇、青なる哉聖
四一、光明思慕の五分時
四二、特殊部落の人々へ
四三、秋を病みて
四四、嘘
四五、俳壇分裂の前に
四六、萩散る頃となれば
四七、松の姿は今にあり
四八、北海道に教化する毎に
四九、門徒と蕎麦の花
第一附録
第二附録
Ⅱ 断想私録
はじめに
俳句に対する予が信念
能楽の危機
芭蕉の「奥の田植唄」の句
ジヨン・ヘイの外交
展墓
去来の長崎行
自然礼讃
丈山と大谷家のその頃
弓道の本源
緊張と弛緩
若き日の吉良義央
栖鳳翁とシユーベルト
自然美の応用
少年俳句作家
句評
心眼の威力
人生のムーラン
Ⅲ 小硯墨滓
(一) はしがき/解脱半日
(二) 初めてレヴユーを見て感あり
(三) 大龍寺
(四) 歳首雑感私語
(五) 精神国防
(六) 不喚楼子との書簡応答
(七) 絶後の大歌舞伎(上)
(八) 絶後の大歌舞伎(下)
(九) 最上川の句
(十) 鵜飼に誘はれて
(十一) 銷夏俳日記抄
(十二) 銷夏俳日記抄(続)
(十三) 伊香保雑記(上)
(十四) 伊香保雑記(下)
(十五) 三俳聖の新年句
(十六) 二つの手紙
(十七) 他山石
(十八) そゝろありき
(十九) 技芸の極致
(二十) 小弟得痴の死に遇ふて俳句に目覚めし当時を憶ふ
(二十一)水郷めぐり
(二十二)灼熱の旅
(二十三)観能妄批
(二十四)昭和三題集を選みて
(二十五)能登の今昔(上)
(二十六)能登の今昔(中)
(二十七)能登の今昔(下)
(二十八)噫碧梧桐、翁と予
(二十九)青々翁の遺句
(三十) 近詠投句家とその作句
(三十一)野田の鷺山
(三十二)初夏小品二題
(三十三)お閻魔様
(三十四)芭蕉の矛盾(上)
(三十五)芭蕉の矛盾(下)
(三十六)尋矢
(三十七)句集「夢の跡」鑑賞を読んで
(三十八)四百号
(三十九)懸葵第二巻中より
(四十) 懸葵第二巻第二号巻頭
(四十一)栖鳳先生を訪ふ
(四十二)水ぬるむ頃
(四十三)冬葉子の質問に答ふ
(四十四)野寺の一夜
(四十五)観能
(四十六)鎌倉建長寺
(四十七)嵯峨野の秋二つ
(四十八)第二回文展の日本画より
(四十九)句集我は我上梓に就て
(五十) 奥村五百子を偲ぶ
(五十一)近詠選後感
(五十二)御室の逃げ桜
(五十三)句集我は我に対する諸家の批評と独語(上)
(五十四)句集我は我に対する諸家の批評と独語(中)
(五十五)句集我は我に対する諸家の批評と独語(下)
(五十六)弗人子に答ふ
(五十七)雲去来
(五十八)院展寸感
(五十九)近藤勇之墓
(六十) 式能観覧
(六十一)蕪村夢物語を読む
(六十二)善罵の舌
解説・解題
解説 句佛上人の随筆集について
解題
ISBN:9784908318139
。出版社:本願寺文化興隆財団
。判型:4-6
。ページ数:742ページ
。定価:20000円(本体)
。発行年月日:2020年12月
。発売日:2020年12月28日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB。